Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
シナプスでの神経伝達物質放出の抑制はシナプス前部でのCaチャネルの抑制とKチャネルの活性化により実現されている。同一の神経細胞においても,種々の異なった抑制性伝達物質がこのような作用を示す場合が多い。我々はこれまでにラット新生仔脳より急性遊離した青斑核(LC)神経細胞で,μオピオイドアゴニスト,ソマトスタチンおよびα_2アゴニストがKチャネルを活性化することやωコノトキシン感受性のN型Caチャネルを抑制することを観測し,伝達物質放出抑制に関る細胞内情報がPTX感受性G蛋白質を介してクロストークしていることを示してきた。本研究では,組織学的および分子生物学的アプローチの容易な初代培養神経細胞系で,抑制性伝達物質によるKチャネルの活性化とCaチャネルの抑制を検討した。 ラットLC遊離細胞は,グリオーマC6細胞の条件培地を用いることにより1ケ月以上培養下で生存した。このLC初代培養神経細胞はα_2アゴニストの作用によりK電流の活性化とCa電流の抑制が観測された。この事は,この細胞が培養下でα_2受容体,N型Caチャネル,受容体依存性Kチャネル等を維持していることを示している。μオピオイドアゴニストおよびソマトスタチンの作用については現在検討中である。さらに,培養法の確立されているラット上頚神経節(SCG)初代培養細胞に対するα_2アゴニストの作用を検討した。初代培養SCG細胞に於いても,α_2アゴニストはK電流を増加させCa電流を抑制した。このSCG初代培養細胞では,N型Caチャネルのみならず各種Caチャネル・アンタゴミストに抵抗性のN型でもL型でもP型でもないこう高イキ値型Caチャネルが抑制された。 以上の結果は,伝達物質放出抑制に関る細胞内でのクロクトークの解析が培養神経細胞系において解析できることを示している。
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