シナプス前終末における伝達物質放出可塑性の細胞内機序の解析
Project/Area Number |
05260213
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
八尾 寛 京都大学, 医学部, 講師 (00144353)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 克昭 京都大学, 医学部, 助手 (30025613)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | 自律神経節 / ニューロモデュレータ / カルシウムチャネル / シナプス前終末 / アデノシン受容体 / オピオイド受容体 / エンケファリン / ω-コノトキシン |
Research Abstract |
1.ニワトリ胚毛様体神経節の杯状シナプス前終末を用いて、シナプス前終末からの伝達物質放出がニューロモデュレータにより修飾される細胞内機序を解析した。 2.ATPおよびその代謝産物のアデノシンは、アデノシンA1受容体を活性化することにより、シナプス前終末のω-コノトキシン感受性Ca^<2+>チャネルを選択的に抑制した。このため、活動電位にともなうCa^<2+>流入が抑制され、伝達物質の開口放出が抑制されることが明らかになった。 3.内因性オピオイドのエンケファリンは、μ-オピオイド受容体を活性化することにより、ω-コノトキシン感受性Ca^<2+>チャネルを選択的に抑制した。しかし、ω-コノトキシン抵抗性のCa^<2+>流入は抑制されなかった。これにより、伝達物質放出は短期に可逆的に抑制された。エンケファリンは、また、δ-オピオイド受容体を活性化することにより、伝達物質の放出を長期に抑制した。しかし、シナプス前終末の活動電位にともなう細胞内Ca^<2+>の増加を抑制しなかった。すなわち、δ-オピオイド受容体は、Ca^<2+>増加以後の伝達物質開口放出機序を抑制することが明らかになった。 4.杯状シナプス前終末には、ω-コノトキシン感受性と抵抗性の2種類のCa^<2+>チャネルサブタイプが共存している。ω-コノトキシン感受性のCa^<2+>チャネルを介するCa^<2+>流入の方が、ω-コノトキシン抵抗性のCa^<2+>チャネルを介するCa^<2+>流入よりも、より効率よく伝達物質の放出に連関していることが明らかになった。これは、ω-コノトキシン感受性のCa^<2+>チャネルがシナプス前終末の活性帯の近傍でクラスターを形成していることによることが示唆された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)