Project/Area Number |
05260216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
吉本 谷博 徳島大学, 医学部, 助教授 (60127876)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | アラキドン酸 / 12-リポキシゲナーゼ / cDNA / 神経伝達機構 / 松果体 / in situハイブリダイゼイション |
Research Abstract |
アラキドン酸12-リポキシゲナーゼは、アラキドン酸などの炭素20個の不飽和脂肪酸の12番目の炭素に分子状酸素を導入して、12-ヒドロペルオキシエイコサテトラエン酸を生成する酸素添加酵素で、中枢神経系においては脳下垂体や松果体に存在している。この酵素の代謝産物が視床下部からのLHRHの放出や、松果体におけるメラトニン合成を促進するという神経内分泌学的知見がある。また、海産動物のアメフラシの神経節においては、神経伝達のセカンドメッセンジャーとして作用しているという報告がある。私達は、ラット松果体に高い12-リポキシゲナーゼ活性を見いだし、酵素のcDNAをクローニングした。このラット松果体の12-リポキシゲナーゼcDNAを大腸菌で発現させ、その酵素学的性質を解析した。12-リポキシゲナーゼには、「白血球型」と「血小板型」の2つのアイソフォームがあることが知られている。ラット松果体の12-リポキシゲナーゼは、酵素の一次構造、種々の脂肪酸に対する基質特異性、抗体との反応性などから、白血球型の酵素であることが明らかになった。得られた酵素のcDNAをプローブとして、いろいろなラットの組織からRNAを抽出し、ノーザンブロットを行なうと、酵素のmRNAは松果体に最も多く、次いで脾臓、大動脈、肺などにも検出された。また、ラット脳の各部分についてノーザンブロッティングを行なうと、酵素のmRNAは松果体にのみ検出され、皮質、視床、海馬など他の部分にはほとんど検出されなかった。さらに、ラットの脳についてin situハイブリダイゼイションを行なうと、酵素のmRNAは松果体にのみ検出され、脳の他の部分には認められなかった。
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