嗅球における神経栄養因子発現調節機構の老化に伴う変化
Project/Area Number |
05261201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松岡 一郎 北海道大学, 薬学部, 助手 (40157269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄司 隆行 北海道大学, 薬学部, 教務職員 (00241349)
柏柳 誠 北海道大学, 薬学部, 助手 (20169436)
三宅 教尚 北海道大学, 薬学部, 助教授 (30133771)
栗原 堅三 北海道大学, 薬学部, 教授 (00016114)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | CNTF / 嗅球 / 神経栄養因子 / 嗅覚系 / VIP / PACAP / CAMP |
Research Abstract |
嗅覚系は、成体においても嗅神経が定常的に脱落新生を繰り返し嗅球とのシナプスを再形成するという特異な機能を有している。一方、嗅球にはCNTF,BDNF、NGFなどの神経栄養因子が発現しており、嗅神経の再生に関与すると推定される。さらに、これら神経栄養因子の発現は神経活動、特に嗅神経入力に対応して制御されている可能性がある。本研究では、中枢においてその発現が嗅球に集中しているCNTF発現調節機構を培養嗅球グリア細胞を用いて解析することを第一の目的とした。 1.細胞内cAMPの上昇によるCNTFmRNAの減少: 培養嗅球アストログリア細胞においては、CNTFmRNAが高いレベル(約50 pg/35mm dish、NGFmRNAの10倍以上)かつ長い半減期(t1/2=7 hr)で発現しているが、腸管ペプチド(VIP)、下垂体由来アデニル酸シクラーゼ活性化ペプチド(PACAP)等の刺激やフォルスコリン作用による細胞内cAMPの上昇を介して著しく減少した(t1/2=5 hr)。 このCNTFmRNA減少には、新たな蛋白合成に依存するCNTFmRNAの分解促進と、蛋白合成に依存しないCNTF遺伝子の転写阻害の2通りの経路が関与する。 2.PKC活性化剤によるCNTFmRNAレベルの増加: PKC活性化能を有するフォルボールエステル(PMA)は培養嗅球アストロサイトのCNTFmRNAレベルを一過性の減少(6-9 hrで約1/10)の後、著しく増加させた(刺激後24hrで刺激前の4倍以上)。この変化は、PKC活性化能を有しないPMAの異性体4αPMAでは観察されなかった。また蛋白合成阻害剤のシクロヘキシイミドは、PMAによる24hr後のCNTFmRNAの発現増加を完全に抑制した。これらの結果より、PKCの特異的な活性化による新たな蛋白合成を介したCNTFmRNAの発現促進経路の存在が示された。現在、CNTFmRNAの増加に作用する細胞外刺激となる伝達物質、成長因子等を検索している。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)