Project/Area Number |
05261214
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
小幡 邦彦 岡崎国立共同研究機構, 整理学研究所, 教授 (60013976)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | 海馬 / カイニン酸 / けいれん / Morris水迷路学習 / 神経細胞死 / 錐体細胞 / 可塑性 / 神経栄養因子 |
Research Abstract |
一部の神経細胞脱落による脳機能障害とそれにつづく代償性回復の神経化学的基盤とくに遺伝子発現の役割を明らかにすることを目的とし、カイニン酸によりけいれんさせたラットの海馬につき研究した。 カイニン酸を全身投与してけいれんを起こさせると、海馬CA1において錐体細胞が一部を残して変形脱落した。Morris水迷路学習や受動回避行動はけいれん後2週間にわたって障害されたが、1カ月以後では回復していた。けいれん重積状態が持続すると、神経細胞脱落がCA1以外にも及び学習行動障害も回復しなかった。 海馬組織につき脳由来神経栄養因子(BDNF)等のin situハイブリダイゼーションを行った。けいれん後1日間はBDNFmRNAがすべての神経細胞に、栄養効果があると考えられるソマトスタチンが一部の錐体細胞に強く発現した。この一時的発現の細胞死とその後の可塑的変化における意義を今後研究する。 学習行動回復後の海馬につき組織学的、免疫組織化学的検索を行った。残存するCA1錐体細胞の樹状突起に側方移行、蛇行がみられ、スパインの形態変化の傾向があった。 以上の結果は行動障害回復の基盤として、細胞死を免れた細胞成分にシナプス結合の再編成が起っていることを示唆するものであり、今後、これを組織学標本の定量的解析、電子顕微鏡観察を行って明らかにするとともに、対応する分子的メカニズムを研究する予定である。
|