HIV産生骨髄単球性白血病株を用いたHIV感染メカニズムの解明
Project/Area Number |
05262205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
北野 喜良 信州大学, 医学部, 助手 (10234262)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | エイズ / HIV感染症 / 単球・マクロファージ / TNF |
Research Abstract |
私はHIV-1を産生する骨髄単球性白血病細胞株J_<22>-HL60を樹立したが、その細胞株を用いてHIV感染メカニズムについて検討したので報告する。得られた成果のまとめは以下のごとくである。 1.このJ_<22>-HL60細胞はHIV-1をone copy含んでいたが、各種分化誘導物質、腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor,TNF),Lipopolysaccharide(LPS)でウイルス産生が増加し、その中でも特にTPA,TNF,LPSでその作用は著明であった。 2.生理的物質のTNFに注目して検討を進め、TNF抗体により、J_<22>-HL60細胞からのウイルス産生は押さえられた。特にビタミンD_3での刺激によるウイルス産生の増加は同抗体で中和され、ビタミンD_3の作用はTNFを介したものと考えられた。以上より、この細胞株においては、TNFで刺激されるとHIV産生が高まり、同時にTNFも産生が増すことより、HIV産生についてTNFのAutocrine mechanismがあると考えられた。この成果はBLOODに掲載された。 3.TNFの上記の作用は、この細胞株を継代培養していく経過で、ウイルス産生、TNFの産生が検出されなくなった時点でも温存されており、TNF刺激を加えるとウイルス産生は著増した。こうしたTNFの役割は、HIV感染症患者においても重要であることが推測され、特にAIDS発症に深くかかわっていると考えられる。 以上、この細胞株(J_<22>-HL60)は単球・マクロファージ系細胞におけるHIV感染のメカニズムを解明する上でも有用と考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)