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HIV感染によるインターロイキン2受容体の変化

Research Project

Project/Area Number 05262207
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas

Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

内山 卓  京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80151900)

Project Period (FY) 1993
Project Status Completed (Fiscal Year 1993)
Budget Amount *help
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Keywordsエイズ / 免疫不全 / HIV / IL-2 / V3ループ
Research Abstract

HIV感染により引き起こされる免疫不全は主としてT4細胞の数とその機能の低下に起因する。また、V3 loopは細胞性及び液性免疫のエピトープとして重要な領域である。我々はT細胞増殖に必要なサイトカインであるIL-2に着目し、T細胞のIL-2依存性増殖に対するV3 loopの影響を検討した。
まず、HTLV-III BH10のアミノ酸配列に従いV3 loop及びlinear V3 peptidesを合成した。用いた細胞は、IL-2依存性及び非依存性細胞株(いずれもCD4陽性),PHA blast,PHA刺激後IL-2培養したPBMCから分離したT8細胞である。以上の細胞を用い、V3 loopのIL-2依存性増殖に対する影響を^3H-TdR uptakeにて検討した。PHA blastではIL-4,IL-7による増殖への影響も見た。V3 loopは10μMでIL-2依存性細胞株のIL-2依存性増殖を95%以上抑制するが、IL-2非依存性細胞株の増殖は抑制しない。PHA blastを用いた実験ではIL-2,IL-4を介する増殖は抑制されたが、IL-7を介する増殖の明らかな抑制は認められなかった。これはγ鎖を共有するIL-2及びIL-4シグナル伝達経路が少なくとも一部で共通しそこにV3 loopが作用している可能性を示唆している。この点の検討が今後の研究課題の一つとなろう。また、これらの著明な抑制はT8細胞でも認められ、CD4の存在は必ずしも必要ではないと考えられる。以上の効果はlinear V3 peptidesでは認められなかったことからループ構造が重要であると考えられる。また、IL-2依存性株の細胞周期への影響も検討した。V3 loopによりG1 arrestを認めたが、この際DNA断片化の誘導は認められなかった。V3 loopが^<125>I-IL-2の細胞表面のIL-2Rへの結合を阻害するか否か調べたが結合阻害は認められなかった。これより、V3 loopの作用点はIL-2が受容体に結合以後のIL-2シグナル伝達経路下流に存在している可能性が考えられる。また、IL-2刺激後出現するチロシンリン酸化タンパクへの影響をwestem blottingにて調べたがV3 loopによっては影響を受けなかった。
V3 loopによるT4細胞及びT8細胞のIL-2依存性増殖の抑制は、HIV感染者におけるT4細胞の抗原に対する増殖反応の低下とそれに続く細胞死、T8細胞のうち細胞障害性T細胞(CTL)、特にHIV特異的CTLのIL-2による誘導障害の原因となる機構の一つを示していると考えられ、感染に続く免疫不全発症機構解明にとって重要な現象ではないかと考えている。今後この現象の分子生物学的機構解明とその制御方法の開発を行いたいと考えている。

Report

(1 results)
  • 1993 Annual Research Report

URL: 

Published: 1993-04-01   Modified: 2016-04-21  

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