C.elegans神経系高次機能にかかわる遺伝子の系統的同定と解析
Project/Area Number |
05263211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
細野 隆次 金沢大学, 医学部, 講師 (40019617)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | Caenorhabditis elegans / アセチルコリン / unc-18 / Tclタッギング / トリクロロフォン抵抗性 / 神経伝達 / シナプス |
Research Abstract |
これまでに同定しているシナプス伝達に働く遺伝子のうち、unc-41とunc-18の機能を調べ次のような結果が得られた。 1.unc-41:unc-41遺伝子の10変異についてその表現型を調べた。8変異はアセチルコリン昂進と共に、発生異常、アセチルコリン分解酵素阻害剤抵抗性等を示した。こうした表現型は既に解析している、7遺伝子(unc-11,unc-13,unc-17,unc-18,unc-63及びunc-64)変異と類似していた。従ってunc-41もシナプス前終末で神経伝達物質の挙動制御に働く遺伝子と考えられた。この事を検証するため、C.elegansのシナプス小胞分離法を確立した。この方法で変異株の小胞のアセチルコリン量を調べた。その結果、変異株では何れも小胞の異常蓄積が見られた。このように、8unc-41変異のアセチルコリン異常昂進は、シナプス前終末からの放出不能によってもたらされたと結論された。一方、残り2変異はアセチルコリンは正常で、他の表現型も前者と異なっていた。こうしたことから、unc-41はシナプス伝達以外の機能も有していると推定された。 2.unc-18:unc-18遺伝子(UNC-18)はシナプス伝達に働く過去に知られていないタンパク因子であることを明らかにしてきた。unc-18cDNAを昆虫細胞Sf9で発現させ純粋なUNC-18を得てタンパク性状を調べた。その結果、UNC-18はprotein kinaseCによってSer及びThr残基がリン酸化され、C末側が調節領域として働いていることを示唆する結果が得られた。UNC-18は可溶性タンパクとしての性質を持ち、大部分が可溶性タンパクとして存在する。しかし、一部はシナプス小胞と親和性が認められた。一方UNC-18は形質膜ではsyntaxinAと親和性を持っている。C.elegansのsyntaxinAのcDNA cloneを得ており、これらを用いて、小胞の形質膜への結合過程に働くUNC-18の役割を探っている。神経系でのシナプス小胞輸送に於ける遺伝子制御を明らかにするため、unc-18遺伝子のsuppressor及びenhancer変異を分離している。また既に同定している遺伝子との相互作用についても調べている。これらの解析結果は、シナプス小胞がGolgi体で生成され軸索輸送を経て神経終末に達するまでは単一経路であるが、それ以降は複数の経路存在することを示唆する。この可能性についても検討している。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)