Project/Area Number |
05264203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河合 明彦 京都大学, 薬学部, 教授 (70027332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 金次郎 京都大学, 薬学部, 助手 (80183664)
相良 淳二 京都大学, 薬学部, 助手 (10225831)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 狂犬病ウイルス / ERMファミリータンパク質 / アクチン結合タンパク質 / 細胞骨格系 / CD44 / ウイルス粒子内細胞成分 / VAP22 / VAP100 |
Research Abstract |
狂犬病の成熟ウイルス粒子内には5種類のウイルスタンパク質以外に,種々の細胞成分(小さい方から,22K42K,73K,75K,82K,85K,100K,130-140K,および250K)が含まれており、そのうちの42Kのものは細胞骨格系の重要な成分即ちアクチンであることが以前に明らかにされている。本研究では、このアクチンを含めた細胞骨格系がウィルス増殖過程において重要な働きをするという立場に立ってウイルス粒子中の細胞骨格成分あるいは関連する細胞成分の同定及び局在部位を明らかにした。まず、75K、82Kおよび85Kのポリペプチドは分子量や抗原性からアクチン線維の末端に結合することが知られている エズリン,ラディキシンおよびモエジンであることがわかった。次にそのほかのものの同立を行なう作業を開始した。まずこれらの成分を認識するモノクローナル抗体を作成した(その戦術として,宿主細胞であるBML-21細胞成分を抗原としてラットを免疫した後,脾細胞を取り出してハイブリドーマを作成し、次に狂犬病ウイルスを抗原としてスクリーニングを行ない,ウイルス粒子中の宿主成分を認識する抗体を選び出した)。次にBH4-21細胞のmRNAからcDNAライブラリーを作成し,これらの抗体と反応する抗原物質をコードしているcDNAクローンを分離し,塩基配列の決定を行なった。その結果、130-140Kのポリペプチドは既にCD44分子として報告されているものと同一であることがわかったが、そのほかに重要な発見として、この分子がERMタンパク質を介してアクチン線維を細胞腔に結合させる分子の実体であることを明らかにできた。またこの分子はウイルス粒子の特定の部位(頭部及び尾部)に局在しており、ウイルス粒子形成にアクチン線維が重要な役割を果していることを示唆するものである。また同様の方法で得られた抗体により、22K及び100Kのポリペプチドはやはり細胞腔に近い部位に存在する分子であり、ウイルスエンベロープ形成とのかかわりあいを示唆している。これらの分子は遺伝子のオモロジー検索から未報告のものであり、その実体の解明はこれからの課題である。また250Kのポリペプチドは分子量や抗原性からファイブネクチンであることがわかった。その役割についても今後の研究課題である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)