インフルエンザウイルス非構成蛋白(NS2)によるゲノムRNA複製の調節
Project/Area Number |
05264204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
小田切 孝人 自治医科大学, 医学部, 講師 (80177237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田代 真人 自治医科大学, 医学部, 助教授 (90111343)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
Fiscal Year 1993: ¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
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Keywords | インフルエンザウイルスA / 非構成蛋白NS2 / RNAの転写・複製 / 干渉性欠損ウイルス / RNAポリメラーゼ / RNA分節のパッケージング |
Research Abstract |
インフルエンザウイルスの非構成蛋白NS2の機能は、全く不明である。我々は、NS2蛋白の機能解析を目的として作製したNS2変異株の分離に成功した。この変異株はNS2蛋白の機能異常によって、PA遺伝子を欠損した干渉性欠損(DI)ウイルスを産生する。本研究ではNS2変異株を用いて、ウイルスゲノムRNAの複製過程におけるNS2蛋白の機能を解明することを目的として実験を行い、以下の点を明らかにした。 1.NS2蛋白はゲノム複製の鋳型となるcRNA合成過程で、ゲノムRNAの一部を欠落したDI-RNAの増幅を抑制し、正常ゲノムRNAが優先的に複製されるように調節する。 2.NS2蛋白は感染初期において、cRNA合成を抑制し、ゲノムRNAの初期転写からゲノム複製のcRNA合成過程へのスイッチングの時期を調節する。 3.DIウイルス粒子形成過程において、DI-RNAはそれが由来した正常ゲノムRNAより優先的にウイルス粒子へ取り込まれた。これは、細胞膜からウイルス粒子が形成される出芽過程で起こることが明かになった。 4.DI-RNAはそれが由来した遺伝子RNAとのみ特異的に競合して選択的にパッケージングされることが明らかになった。このことから、ウイルス粒子形成過程では、各RNA分節を識別する分子識別機構が働く可能性が示唆された。 我々はreverse geneticsの手法を駆使して、RNA分節の識別を規定しているゲノムRNA上のシグナルを同定し、これにNS2蛋白がどのように関与しているのか解析を進めている。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)