Project/Area Number |
05266207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大森 正之 東京大学, 教養学部, 教授 (80013580)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Keywords | 遺伝子 / アデニル酸シクラーゼ / 形質転換体 / クローニング / cAMP / 制限酵素 / 塩基配列 / 信号応答 |
Research Abstract |
改変デトマー培地で培養したAnabaena cylindricaの細胞を遠心により集め、常法に従って抽出したgenomicDNAを用い、クローニングベクターとしてpBR322を利用し、independent clone(1x10^4)、平均insert長9.3kbのライブラリを作製した。 このライブラリを用い遺伝子導入したE.coliのMK1010株(アデニル酸シクラーゼ欠損株)の形質転換体より、一個のcya^-のマルトース発酵を相補する形質転換体を得た。この形質転換体より回収したプラスミドクローンpAC1を導入したcya^-のE.coliは多量のcAMPを含んでいることがわかった。pAC1の制限酵素切断断片地図と、それぞれの切断断片をcya^-のE.coliに導入したときのマルトース発酵能の検索から、マルトース発酵能を回復させる領域1.8kbを同定し、塩基配列の決定を行った。この領域には1,506bp、502アミノ酸残基からなるタンパク質をコードするオープンリーディングフレームが見い出された。このオープンリーディングフレームのアミノ酸配列のC末端側は、根粒菌(Rhizobium meliloti)、ラットのタイプIII型、ショウジョウバエのアデニル酸シクラーゼ、ウニ、ラット、マウス、ヒトのグアニル酸シクラーゼの触媒領域と相同性があることがわかった。また、構成アミノ酸から予想される疎水性の度合いについて検討した結果、この酵素には膜を貫通する領域があることが推定された。 A.cylindricaのアデニル酸シクラーゼには、タンパク質のN末端および中央付近に疎水性アミノ酸からなる配列が2箇所存在しており、1次構造上から膜タンパク質であることが示された。この酵素は、中央で膜を1回貫通した、いわゆる受容体型の膜タンパク質であることが予測された。ラン藻のアデニル酸シクラーゼが、原核生物よりは、真核生物型に近い構造を示すことから、ラン藻にも真核生物に類似したcAMP依存性信号応答機構が存在する可能性が示された。
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