Project/Area Number |
05266210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小俣 達男 名古屋大学, 農学部, 助教授 (50175270)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | ラン藻 / 硝酸同化 / 遺伝子発現 / 亜硝酸還元酵素 / 硝酸イオン輸送系 / 活性制御 / 転写調節 |
Research Abstract |
1.単細胞性のラン藻Synechococcus PCC7942を材料として、亜硝酸還元酵素の遺伝子(nirA)、硝酸イオン輸送に関与する4つの遺伝子(nrtA〜nrtD)、および硝酸還元酵素の遺伝子(narB)から構成されるnirAオペロンの転写活性に対するグルタミン(アンモニアの初期同化産物)およびDON(グルタミンから他の化合物へのアミド基の転移反応の阻害剤)の効果を調べ、グルタミンからアミド基の供与を受けてつくられる物質のひとつ、あるいはさらにその代謝産物の蓄積が、nirAオペロンの転写の抑制を引き起こすことを明らかにした。 2.硝酸イオン能動輸送系を構成する4つのタンパク質のうち、NrtCのもつ特異なC末端ドメイン(400アミノ酸残基から成る)を除去した変異株を作製してその性質を解析することにより、このドメインが硝酸イオンの輸送に必須ではなく、また、窒素源の過剰時に見られる硝酸イオン輸送の抑制的制御にも関与しないことを明らかにした。 3.炭素欠乏下における硝酸同化活性の抑制機構を解析するため、CO_2制限条件下での硝酸イオンの取り込み活性、硝酸還元酵素活性、および亜硝酸還元酵素活性を測定し、CO_2制限条件下では亜硝酸還元酵素が特異的、不可逆的に不活性化されることを明らかにした。 4.平成4年度の研究で見いだしたLysR型の転写制御因子をコードする新規遺伝子ntcB(ORF2)の欠失変異株を作成し、ntcBの欠失がnirAオペロンの転写に影響を与えないことを確認した。この欠失変異株は、アンモニアの同化に関わるグルタミン合成酵素とグルタミン酸合成酵素の活性が野生株より高いにも関わらず、アンモニアを窒素源とした場合に窒素欠乏状態に特有の黄緑色を呈するので、ntcBはグルタミン/グルタミン酸以降の含窒素化合物の生合成に関わる遺伝子の活性化に関わるものと推定した。
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