Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Research Abstract |
光合成細菌をモデルに,光合成電子伝達機能と酸素環境の変動との関係を明らかにすることを目的とした.紅色光合成細菌の反応中心への電子供与体はチトクロムcであるが,酸素適応能とそのチトクロムの構造機能との関係に関して以下の結果を得た. 1.光合成反応中心の系統関係と結合型チトクロムの有無および酸素条件への適応の関係:すでに,反応中心の塩基配列が発表されている5種に新たに7種の配列を決定して系統樹を作成したところ,一部分は反応中心遺伝子の種間移動を考える必要があった.しかし,チトクロムサブユニットの有無を遺伝子の種間移動では説明するできず,好気条件への適応によるそのサブユニットの欠失突然変異が複数の系統で起こった可能性が支持された. 2:遺伝子構造から推定したRv.gelatinosusの結合型チトクロムサブユニットの構造と電子伝達体としての性質の関係:ヘム近傍の構造はRps.viridisとの相同性が高く,良く保存されていた.また,シグナル配列も類似しており,成熟蛋白のN末端のアミノ酸も脂肪酸を結合したシステインであると推定された.一方,18個のアミノ酸の欠失が見られ,それらのほとんどがLMサブユニットとの相互作用部位にあった.この特徴は,この細菌のチトクロムサブユニットが弱い界面活性剤処理ではずれやすく,はずしても電子伝達機能にはほとんど影響を与えなかった結果を,説明できるものであった. 3:チトクロムサブユニット欠失遺伝子の作成と形質転換の試み:大腸菌のプラスミドpUC119にクローニングしたRv.gelatinosusの光合成オペロンからチトクロムサブユニット遺伝子の大部分を欠失させ,代わりにカナマイシン耐性遺伝子を挿入したプラスミドを作成した.このプラスミドをエレクトロポレーションで細胞に導入し,相同組み替えをおこすための条件を検討した.
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