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¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
最近の研究により,循環的電子伝達反応が光合成の環境応答に重要な役割を果たすことが示されている。この電子伝達反応にはNADHデヒドロゲナーゼ蛋白質を経る経路,アンチマイシンで阻害される経路,さらに光学系IのPSAEが関与する経路の存在が示唆されている。しかし,その生化学的実態および光合成の環境応答に対する役割はほとんど明かになっていない。本研究課題では循環的電子伝達反応に関与する蛋白質の構造とその遺伝子発現制御機構を明らかにすることを目的として,1)塩ストレス下でのNADHデヒドロゲナーゼ遺伝子の発現と,2)好塩性らん藻のNADHデヒドロゲナーゼ遺伝子の単離を中心に取り組んできた。 1)塩ストレスにより,光工学系IIの活性は低下するが,光化学系Iおよび循環的電子伝達活性が増加することが明らかになった。 2)シアノバクテリア(Synechocystis sp.PCC6803)のNADHデヒドロゲナーゼ遺伝子を不活性化させたmutant(M9,ndh K)では循環的電子伝達活性が低下するが,耐塩性には顕著な差はなかった。また,光化学系Iのpsa E を不活性化させたSynechocystis sp.PCC6803のmutantでも顕著な差はなかった。 4)好塩性らん藻(Aphanothece halophytica)からゲノムライブラリーを作成し,ndh K,ndh I,ndh J遺伝子断片をPCR法を用いてクローニングした。現在,完全鎖長の遺伝子をクローニング中である。高塩濃度下での蛋白質の失活と分子シャペロンの関係を明らかにするために,この好塩性らん藻からDna K,GroEL遺伝子断片をPCR法を用いてクローニングした。現在,完全鎖長の遺伝子をクローニング中である。
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