Project/Area Number |
05267103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
安西 祐一郎 慶応義塾大学, 理工学部・電気工学科, 教授 (40051875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山鳥 重 東北大学, 医学高次機能障害学, 教授 (10030892)
甘利 俊一 東京大学, 工学部・計数工学科, 教授 (80010726)
小田 洋一 大阪大学, 基礎工学部・生物工学科, 助教授 (00144444)
二木 宏明 東京大学, 文学部, 教授 (10073074)
小野 武年 富山医科薬科大学, 医学部・第二生理学教室, 教授 (50019577)
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Project Period (FY) |
1993 – 1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥124,800,000 (Direct Cost: ¥124,800,000)
Fiscal Year 1995: ¥33,000,000 (Direct Cost: ¥33,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥48,000,000 (Direct Cost: ¥48,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥43,800,000 (Direct Cost: ¥43,800,000)
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Keywords | 学習 / 記憶 / 中隔核 / LTD / 過学習 / スパースコーティング / 神経回路網モデル / 時系列パターン / 海馬 / シナプス可塑性 / 前頭前野 / 記憶障害 |
Research Abstract |
学習と記憶の情報処理機構を、実験的・理論的に解明することを目的とし、平成5〜6年度までの研究成果に立脚して研究を行ない、以下の成果を得た。 (1)サル中隔核ニューロン活動についての記録実験から、中隔核はエピソード記憶における情報処理の統合に重要な役割を果していることが示唆された(小野)。また、サルの前頭前野のニューロン活動の記録実験から、前頭前野における情報処理は、各視覚サブモダリティーの感覚情報を行動的意味情報に変換する過程と、変換された情報を統合する過程の2段階の階層構造を持つことを示唆された(二木)。 (2)金魚の逃避反射が,マウスナ-細胞の抑制性長期増強(LTP)に対応して長期的に減弱することが認められ,抑制性シナプスのLTPが運動制御の適応に関与することが示唆された(小田) (3)神経回路網における過学習問題について、統計学的枠組みを援用して過学習と汎化能力の問題を解析し、過学習の枠組とその特性を明らかにした(甘利)。 (4)形の処理系と動きの処理系をもつ視覚系の神経回路モデルを新たに提案した(福島)。また、局所的な抑制性細胞の働きにより,スパースコーディングおよび非単調ダイナミクスが自然に実現される。時系列パターンの記憶に関する神経回路モデルを構成し、その振舞いが現実の神経細胞とよく一致することが明らかとなった(森田)。 (5)ヒトの記憶活動と脳内部位との関連についてのPETを用いた実験から、記憶活動は脳内に広く分散され、記憶の質の違いにより、活動する部位が異なることが示された(山鳥)。 (6)顕在的学習のモデルと潜在的学習のモデルを統合した新しい記憶情報処理モデルを認知科学の立場から構築した(安西)。 以上、過去2年間の基本的知見の上に、新たな実験的・理論的成果が蓄積された。これらの成果は、学習と記憶の情報処理機構の研究に大いに寄与すると考えられる。
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