Project/Area Number |
05267205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
蔵田 潔 東北大学, 医学部, 助教授 (30170070)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 視覚空間座標 / 運動座標 / 座標変換 / 大脳皮質 / 運動前野 / 運動関連活動 / ムシモル / 運動障害 |
Research Abstract |
運動前野腹側部が座標変換系としてどのような役割を果たしているかを調べるため、サルの眼前に左あるいは右へのシフトプリズムを眼前に装着することにより、上肢到達運動の目標点が視覚空間的に同一でありながら、異なる方向への運動が要求される運動課題を課し、その運動課題遂行時の運動関連活動の解析とムシモル注入の効果を検討した。まず、運動前野腹側部と一次運動野の単一ニューロン活動においては、運動の契機信号でもある目標点の提示から運動の開始までの期間に活動の変化したニューロン(運動関連活動)は、一次運動野では行われた運動の方向によってニューロン活動が変化し、与えられた視覚刺激の空間上の座標には依存していないもの、すなわち運動座標に一致するもののみであった。一方、運動前野腹側部ではそのような活動のみならず視覚空間上のどこに目標点となる刺激が呈示されたかによって活動が変化し、必ずしも行われた運動の方向に対応していないもの、すなわち視覚空間座標に一致するものも存在していた。次に、運動を遂行する上肢と反対側の運動前野腹側部において運動関連活動の存在していた領域にムシモルを微小注入したところ、この課題遂行に特異的な障害があらわれた。すなわち、行うべき運動を注入側に対し反対側へ視覚座標から変位させることが要求されたときにのみ、視覚空間座標に一致した運動を起こし、身体座標に対する左右方向への著明なエラーを生じた。このようなエラーは運動前野背側部にムシモルを注入しても起こらなかった。以上の知見から、運動前野腹側部はこれら座標系の変換に重要な役割を果たしていること、また一次運動野あるいは運動前野背側部が、座標交換というよりはむしろ運動の遂行あるいは準備状態の形成に寄与していることが示唆された。
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