視覚情報並列処理系への脳幹からの修飾機構-外側膝状体中継細胞のイオンチャンネル解析-
Project/Area Number |
05267230
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福田 淳 大阪大学, 医学部, 教授 (90028598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小阪 淳 大阪大学, 医学部, 助手 (40243216)
山下 勝幸 大阪大学, 医学部, 講師 (20183121)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 網膜 / 神経発生 / イオンチャンネル / カルシウム / 神経伝達物質 / GABA / アセチルコリン / レセプター |
Research Abstract |
本年度はin vitro網膜組織においてアセチルコリンによるCa応答とそのレセプターの同定を行なった。 方法としては孵卵3日目の鶏胚より網膜神経層を摘出し、カルシウム蛍光指示薬(Fura2-AM)により細胞内Ca濃度の変化を調べた。その結果、0.1μM-100μMのアセチルコリン投与により細胞内Ca濃度の上昇が生じた。この応答は10μMのアセチルコリン濃度で飽和がみられた。アセチルコリンによる細胞内Ca濃度の上昇は、細胞外CaをMgで置換しさらに1mMのEGTAを加えたCa-free溶液中でも生じたことから、細胞内CaストアからのCaイオンの放出によるものであると思われた。 アセチルコリンレセプターはニコチン性とムスカリン性に大別される。そこでレセプターのタイプを薬理学的に同定した。1μMのアトロピンは10μMのアセチルコリンによるCa応答を阻害した。d-ツボクラリンは100μMの濃度においても影響がみられなかった。次にムスカリニックアゴニストであるムスカリン(100μM)およびカルバミルコリン(100μM)を投与したところ、10μMのアセチルコリンと同程度のCa応答を示した。以上の結果から、今回のアセチルコリンによるCa応答にはムスカリニックレセプターが関与していると思われた。 ムスカリニックレセプターのサブタイプは、Gタンパクを介してIP_3を生成し、細胞内Caストアに存在するIP_3レセプターを活性化することが知られており、この反応によりCaストアからCaイオンが細胞質中に放出されるものと思われる。今回の研究から、網膜細胞が形態的、機能的に分化する以前においてムスカリニックレセプターが発現していることが生理学的に証明された。今後は網膜細胞の機能分化と並列神経回路の形成過程におけるアセチルコリンの役割を解明してゆく必要がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)