Project/Area Number |
05268201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
有賀 寛芳 北海道大学, 薬学部, 教授 (20143505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有賀 早苗 北海道大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (90184283)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | hsp70 / c-myc / 転写制御 / DNA複製 |
Research Abstract |
熱ショック遺伝子70(hsp70)遺伝子は癌遺伝子c-mycによる転写調節が古くから知られていたが、そのターゲット配列などほとんど不明のままであった。我々はc-mycタンパク質がDNA複製開始と転写の調節因子であることを明らかにしてきた。そこでhsp70遺伝子におけるDNA複製と転写調節においてc-mycとの関係を解析した。hsp70プロモーター-180塩基対付近に2カ所c-mycタンパク質複合体結合が結合し、その配列をHSPmycA,HSPmycBと名ずけた。in vivoで実際に機能しているDNA複製開始領域を同定したところ、このHSPmycA,HSPmycBを含む転写プロモーター領域と一致した。この領域を含むプラスミドは培養細胞で一過性、及びstable cell lineで自律複製し、この配列に塩基置換を導入したものはその活性がなかった。このことより、c-mycタンパク質複合体配列の複製における重要性とc-mycタンパク質の関与が明らかとなった。 次にhsp70遺伝子のc-mycによる転写調節機構を解明するためにhsp70プロモーターの種々の変異株にルシフェラーゼレポーター遺伝子を接続し、c-mycとのコトランスフェクションの有無で検討した。c-mycとのコトランスフェクションのない状態、すなわちc-mycは定常状態で存在している場合はHSPmycB配列は極めて高い転写能を有していた。一方、c-mycとのコトランスフェクションすなわちc-mycが大過剰の場合は逆にHSPmycA,HSPmycBの存在の有無にかかわらず、基本的なTATA Boxが存在すると転写抑制を示した。このことはc-myc量が少ないG1期ではHSPmycB配列を介してのc-mycによる転写促進が働くが、細胞がS期に入りc-mycが多量に合成されるとc-mycタンパク質は転写複製開始複合体に作用して転写を抑制し、DNA複製をONとして複製へのと移行すると考えると興味深い。
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