ヒトヘムオキシゲナーゼ遺伝子の熱ショックエレメントの機能の抑制機構
Project/Area Number |
05268202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤田 博美 東北大学, 医学部, 助教授 (60142931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴原 茂樹 東北大学, 医学部, 教授 (70206142)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | ヘムオキシゲナーゼ / 熱ショック蛋白質 / 遺伝子発現 / サイレンサー / ストレス応答 |
Research Abstract |
熱ショック蛋白質(HSP)は熱などの種々の環境因子によって誘導される一群の蛋白質であり、HSP遺伝子のプロモーター領域には熱ショックエレメント(HSE)と呼ばれる共通の塩基配列が存在する。HSEは熱ショック転写因子(HSF)の結合部位であり、HSEが1コピーでもプロモーター領域に存在すれば、その下流にある遺伝子の転写が熱ショックにより誘導される。ヘムオキシゲナーゼ(HO)はヘム分解の律速酵素であり、通常、組織・細胞におけるHO活性は低いが、基質であるヘムや重金属などで誘導される。実際、ラットHOは32kDaの熱ショック蛋白質として知られている。一方、ヒトHO遺伝子のプロモーター領域には、既知のHSEと完全に一致する塩基配列が存在するにもかかわらず、ヒト正常細胞では熱ショックによるHOの誘導がおこらない。我々は同遺伝子のプロモーター領域にHSEの機能を抑制するような塩基配列(サイレンサー)の存在を想定しており、同サイレンサーに関して、以下の成果を得た。 1.ヒト正常細胞(肺胞マクロファージ)を42℃で培養したところ、代表的なHSPであるHSP70は誘導されたが、HOは全く誘導されなかった。よって、ヒトHOはHSPではない。 2.ヘミンによるヒトHOの誘導は熱ショックにより阻害される。HOはヘミンあるいはカドミウムなどの重金属によって、転写レベルの誘導を受ける。しかし、ヘミン処理を42℃で行うと、HOmRNAの誘導が全く見られなかった。 3.試験管内ではHSFはヒトHO遺伝子プロモーター領域に存在するHSE(HO-HSE)に結合する。熱ショック(42℃)後のまたは無処理のHeLa細胞より核抽出液を調製し、HO-HSEにHSFが結合することをゲルシフト法で確認した。なお、HeLa細胞の熱ショック蛋白質70(HSP70)は熱ショックにより誘導されるが、HOは誘導されない。 4.HO-HSEに対するサイレンサー配列の存在。ヒトHO遺伝子の5'上流領域(約2kb)をプロモーターとし、その下流に大腸菌の遺伝子gpt(xanthine-guanine phosphoribosyltransferase)をレポーターとして持つような融合遺伝子をHeLa細胞に導入し、42℃処理がレポーター遺伝子の一時的発現に与える影響を調べた。なお、gptの発現をS1マッピングで定量した。HHO-HSEの近傍に種々の欠損を持つ融合遺伝子を用いて、熱ショックによる誘導の有無を解析し、サイレンサー機能を持つ塩基配列の存在を確認した。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)