各種ストレスに対する生体の細胞内サイトカインを介した自己防御機構の解析
Project/Area Number |
05268232
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
渡辺 直樹 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (10158644)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新津 洋司郎 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10045502)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
|
Keywords | Heat Shock Protein(HSP) / Tumr Necrosis Factor(TNF) / Endogenous TNF / Heat Shock Factor(HSE) / Heat Shock Element(HSE) |
Research Abstract |
これまで我々は、細胞内に存在するTNFがantioxidant enzyme(MnSOD)の誘導を介し、熱ショック、ある種の抗癌剤(Doxorubicin)や外から加えられたTNF自身(外因性TNF)などの細胞ストレスに対し、防御因子として働いていることを見い出してきた。しかし、細胞内TNFと熱ショック蛋白質(HSPs)など他のストレス応答系との相互関係は、いまだ不明であった。そこで本研究では、細胞内TNFがHSPsの発現に及ぼす影響およびその分子機構について検討した。 HSP72産生の誘導に与える細胞内TNFの影響を、35S-メチオニンでパルスラベルした非分泌型TNF発現ベクター(pTNFDELTApro)およびantisense TNF mRNA(PLJ-anti TNF)導入細胞のcell lysateを、抗HSP72抗体で免疫沈降後、SDS-PAGE、autroradeiographyし解析したところ、L-M(pTNFDELTApro)細胞のHSP72発現量は、37℃ではL-M細胞と差はなかったが、加温(42℃,1時間) 後には、L-M細胞の約3倍に増加した。一方、HeLa細胞では、antisense TNF mRNAの導入により、加温時におけるHSP72の発現が抑制された。 さらに、熱ショック時における各細胞のcytosolに存在するHSF(heat shock factor,HSPsの転写因子)の、HSE(heat shock element,HSPsのプロモーター領域の共通配列)に対する結合性を、32Pでラベルした合成HSEを用いたゲルシフト解析で検討したところ、L-M(pTNFDELTApro)細胞では親細胞に比べ著明に上昇していた。一方、HeLa細胞ではantisense TNF mRNA導入により、HSFのHSE結合性は明らかに低下していた。 すなわち、細胞内TNFは、熱ショック時においてHSFのHSEに対する結合性を高めることにより、HSP72の発現を増強することが示唆された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(8 results)