Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は,酵母を材料として,細胞周期に関連したCa^<2+>の動員とCa^<2+>シグナルの受容と伝達の分子機構を明らかにすることである.前年度までに,酵母の性フェロモンによって誘導されるCa^<2+>の流入に決損をもつ突然変異株mid1およびCa^<2+>の受容に欠損をもつと考えられる突然変異株mid2の解析を行い,MID1遺伝子産物(Mid1p)は種々のイオンチャンネルの膜貫通ドメインと相同な領域をもつこと,およびMID2遺伝子産物(Mid2p)は動物のalpha-ラクトアルブミンのCa^<2+>結合領域と相同な領域をもつことを明らかにしている.本年度は,Mid1pの細胞内局在部位と機能ドメインの同定,およびMid2pのCa^<2+>結合能の研究を行った.その結果,Mid1pは形質膜に貫通して存在すること,およびMid1pのC-末端ドメインは細胞周期の進行には必要ないが,性フェロモンの作用を受け,接合へと分化したときのCa^<2+>流入に重要であることを明らかにした.Mid2pは大腸菌で大量生産し,部分精製し,^<45>Ca^<2+>を結合することを示した.また,前年度に,MID2遺伝子は多コピーでも低コピーでもmid1変異を抑圧できるが,MID1遺伝子はたとえ多コピーでもmid2変異を抑圧できないことを示している.したがって,Mid2pはMid1pの作用によって細胞外から流入したCa^<2+>を受け取る機能をもつと考えられる.さらに,新たにMID5遺伝子をクローニングした.mid5変異株は,増殖に関して温度感受性であり,性フェロモンの作用を受けても死ぬ.したがって,MID5遺伝子は細胞周期にも細胞分化にも重要であり,今後これも詳しく解析したい.
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