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¥4,400,000 (Direct Cost: ¥4,400,000)
Fiscal Year 1993: ¥4,400,000 (Direct Cost: ¥4,400,000)
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Research Abstract |
骨髄造血幹細胞に直接由来するCD3^+4^-8^-αβT細胞の抗原レセプター(TCR)について,その認識抗原(リガンド)の解析を進めた。モノクローナル抗体の作製と、それを用いたcDNAクローニングにより、同抗原がヒト4F2抗原対応物であることを強く示唆する結果を得た。同抗原は,85kDa(H鎖)と36kDa(L鎖)から成る2量体で,MHC分子を発現しない胎児性細胞をはじめ,増殖性細胞に強く発現することが示された。今回の解析から4F2抗原H鎖構造は明らかとなったが,同L鎖構造は,未だ不明で,現在,その精製と遺伝子単離を急いでいる。正常胎〓のノーザンプロット解析より,H鎖mRNAは,MHCmRNA発現にかなり先行して,胎性肝等に強く発現され,MHCmRNA発現と共にむしろ減少する傾向が認められた。この結果に基き,胎生期での上記TCRの解析を,PCRでさらに検討した。まだ予備的ながら,胎生肝において,上記TCRβ鎖と全く同一の構造のTCRβ鎖が,いわゆるin variant β鎖として発現していることを示唆する結果を得ている。以上により,胎生期の特徴を保持する上記TCRが主に胎生期に発現する特定のリガンド(4F2)に専ら対応しており,生体内部環境維持において,極めてユニークな新しい機能を有している可能性が示唆された。
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