Project/Area Number |
05272217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菊谷 仁 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助教授 (80161412)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
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Keywords | 自己免疫疾患 / I型糖尿病 / 自己抗原 / NODマウス / 組織適合性抗原 / T細胞 |
Research Abstract |
自己免疫性糖尿病モデルNODマウスの膵島炎成立過程に関わる自己抗原の単離を膵島反応性T細胞ハイブリドーマの反応性を指標に行った。その結果、5種の膵島反応性T細胞は、いずれも膵島細胞膜画分と反応した。さらにその中の2種のクローンの認識する抗原を詳細に検討したところ、2種のクローンは異なるエピトープを認識していることが明らかとなり、このうち1つのクローンが認識するペプチドの一部アミノ酸配列を決定することができた。次に、膵島β細胞の完全破壊への移行機構をin vivoで解析するために、TおよびB細胞を欠損するNOD-scidマウスを作製し、そのマウスをレシピエントとして糖尿病再構築系を確立し、NODマウスのT細胞亜集団およびCD4T細胞クローンをNOD-scidマウスに移入して糖尿病の誘導を試みた。その結果、NODマウスのCD4T細胞の移入では糖尿病を誘導することができたがCD8T細胞の移入では糖尿病を誘導できなかった。CD4T細胞クローンの移入実験から、異なるT細胞レセプターを発現し、異なる自己抗原エピトープを認識すると思われる5種のT細胞クローンを各々単独で移入した場合、ある程度の膵島炎とβ細胞破壊を誘導できたが、糖尿病には至らなかった。一方、これらT細胞クローンを混合して移入したところ、非常に強い膵島炎と糖尿病を効率よく誘導できた。以上の結果は、NODマウスにおける糖尿病の発症には自己に反応するCD4T細胞が必要であり、効率のよい糖尿病発症には、β細胞上の複数の自己抗原エピトープを認識する多様なCD4T細胞の集団が必要であることを示している。
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