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¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Research Abstract |
転写の組織特異性は、単一の組織特異的転写因子の有無のみによるのではなく、むしろ、複数の組織選択的因子を中心とする調節因子間の多様な協調作用あるいは拮抗作用の総和として決定される場合が一般的と考えられ,その具体的例証が待たれる。我々は従来より,哺乳類の肝臓に選択的に発現するオルニチンサイクル酵素遺伝子の転写調節機構の解析を行ない、特にその2番目の酵素であるオルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)および最終の酵素であるアルギナーゼのラット遺伝子についてそのプロモーターおよびエンハンサーの解析を行ってきた。これまでに、1)OTCエンハンサーの活性発現には共に肝臓選択的な転写因子であるHNF-4およびC/EBPの結合部位の両方が必要である。2)OTCプロモーターをHNF-4は活性化するのに対して,同じステロイドレセプタースーパーファミリーに属する汎在性の因子であるCOUP-TFは抑制することを明らかにした。今回,1)OTCエンハンサーに対するHNF-4およびC/EBPファミリーの効果を非導入実験により調べた。その結果,各因子単独ではエンハンサーの活性化が見られなかったのに対し,HNF-4とC/EBPbetaを共に導入すると明らかな活性化が見られた。従つて、HNF-4とC/EBPbeta両因子の組み合わせが,OTCエンハンサーの活性化に重要であることが明らかになった。2)やはり共導入実験により,アルギナーゼプロモーターに対するHNF-4およびCOUP-TFの効果を調べたところ,予想に反し、肝臓選択的因子であるHNF-4が抑制因子として作用するのに対して、汎在性のCOUP-TFが促進因子として作用した。魅力的な仮説としては,HNF-4は発現しているアルギナーゼの発現は見られない小腸や腎臓等の組織においてHNF-4はアルギナーゼ遺伝子の特異的抑制に関与する可能性が考えられた。
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