昆虫の変態期にホルモンによって誘導される転写因子の制御ネットワークの解析
Project/Area Number |
05273221
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
上田 均 国立遺伝学研究所, 遺伝実験生物保存研究センター, 助手 (60201349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広瀬 進 国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究系, 教授 (90022730)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 脱皮ホルモン / シス-エレメント / 遺伝子発現制御 / 時期特異的遺伝子発現 / 標的遺伝子 / メディエーター / In vitro転写系 |
Research Abstract |
脱皮ホルモンのパルスで誘導されるFTZ-F1の時期特異的発現を規定するシス-エレメントを解析するため、転写開始点付近を含む4.2kbのゲノムDNA断片をレポーター遺伝子に結合させた融合遺伝子を作成し、P因子を介した遺伝子導入法でハエ導入した。前蛹期におけるレポーター遺伝子産物を組織化学的に解析したところ、得られた3系統すべてにおいて、成虫原基、気管、表皮などで、内在性のFTZ-F1の発現している時期に特異的に発現がみられ、少なくともこれらの組織での発現のためのシス-エレメントが、4.2kb以内に存在すると考えられた。 ショウジョウバエのEDG84A遺伝子は、FTZ-F1が発現する時期に特異的に発現し、しかも転写開始点付近にFTZ-F1結合部位を有する。そこで、熱ショックプロモーターにFTZ-F1のcDNAを結合した融合遺伝子を有するハエを作成し、内在性のFTZ-F1が発現していない時期に熱ショックを与えてFTZ-F1を発現させ、EDG84AmRNAが誘導されるか調べた。その結果、時期に制限があるが誘導されることが明かとなり、EDG84A遺伝子は、FTZ-F1の標的遺伝子であること、さらにFTZ-F1以外の因子によって発現が抑制されると推定された。 Hela抽出液In vitro転写系を用いてFTZ-F1(BmFTZ-F1)がfushi tarazu(ftz)遺伝子の転写にポジティブに働く機構を解析する程度で、18kdと22kdの因子がメディエーターの活性を有することを明らかにし、それぞれMBF1とMBF2と名付けた。BmFTZ-F1、MBF1、MBF2、hTBPの4者間の相互作用を調べたところ、BmFTZ-F1は、MBF1とMBF2の両者を介してhTBPと結合することが明らかになった。この結果は、In vitro転写系で、BmFTZ-F1によるftz遺伝子の転写活性化にはMBF1とMBF2の因子の両方が必要であるという以前の結果と一致し、BmFTZ-F1による転写活性化にはMBF1とMBF2を介したBmFTZ-F1とTBPの相互作用が必要であることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)