フィブリノゲン機能ドメインの構造、機能、役割の分子機作一余剰糖付加変異分子の応用
Project/Area Number |
05274222
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
松田 道生 自治医科大学, 医学部, 教授 (50048980)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 遺伝性異常フィブリノゲン / アミノ酸点変異 / N結合型糖付加構造 / 余剰糖鎖 / 二分岐アンテナ様糖鎖 / 2シアル酸結合型糖鎖 / フィブリノゲンの立体構造障害 / フィブリノゲンの生合成と分泌 |
Research Abstract |
研究者はこの10年余り、遺伝性fibrinogen(Fbg)異常分子の構造一機能関係を解析しているが、これらの中にアミノ酸点変異により新たにAsn-X-Ser/Thr型糖付加構造を生じ、余剰糖鎖をもつ3つの異常分子を見出した(Fbg Asahi:J.Clin.lnvest.83:1590-1597,1989;Fbg Caracas II:J.Biol.Chem.266:11575-11581,1991;Fbg Lima:J.Clin.lnvest.90:67-76,1992)。これらの余剰糖鎖はいずれも正常Fbgでの糖鎖と同じbiantennary骨格を持つが、dysialylated型が70%以上(対照:22%)で。変異局所に強い陰性荷電が付与されていた。この中Fbg Caracas II(Aalpha Ser-434→Asn.CHO.ヘテロ接合体)では、fibrin(Fbn)protofibril形成は正常乍ら、これら相互間の側々結合が余剰糖鎖のもつ陰性荷電により阻害されることが判明した。Fbgは電顕学的には3つの球状部がコイル状部で結びつけられた3連球状をなし、Aalpha Ser-434を含むcarboxyl基末側(alphaC)は球状部に含まれることなく突出して対側のそれと結合し、中央の球部に電気的に結合しているとされる。本研究ではこの異常分子を電顕学的に分析し、以下の如き新しい知見を得た。1)観察したFbg約500分子の中、約半数は3連球分子であるが残る半数は3連球に近接し乍らも明らかに独立した新たな小球を1〜2個有していた。後者は、余剰糖鎖に加え強い陰性荷電の為にalphaCが中央球部に接着し得えず、新たな余剰球を形成している異常分子と判定された。2)Fbgは八Apc-Bbeta-r)^2と表現され、ヘテロ接合体では分子半量体の組合せから正常同士、正常と異常、異常同士の3つの組合せが1:2:1の割で出現し得るが、約半数が正常分子であったことからこの可能性は否定された。この事実は、Fbgの生合成に当たつて同一肝細胞では遺伝子一つのalleleしか読み取られないこと、また、dimer形成は産生細胞内で行なわれ、dimerとして分泌されることを示す重要な情報であり、lnternational Fibrinogen Workshop(1994年9月、英国Manchester)で報告の予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)