Project/Area Number |
05274225
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
水落 次男 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助教授 (90133149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜子 二治 藤田保健衛生大学, 短期大学, 助手 (80180933)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 人工糖脂質 / 糖鎖プローブ / レクチン / 抗真菌剤 / 抗生物質 |
Research Abstract |
本研究では、我々が最近開発に成功した糖蛋白質糖鎖の糖脂質化技術を駆使して様々な糖蛋白質糖鎖を導入した人工糖脂質を作製し、これを糖鎖プローブライブラリーとして用いて、抗真菌剤であるPradimicin A及びその誘導体の糖鎖構造認識機構を明らかにし、その作用機構を解明すること、また、この物質がもつ糖鎖認識機構を利用して細菌やウイルスの宿主への接着過程等における細胞表面糖鎖の生理機能を解析するとともに、糖鎖に着目した細菌感染やウイルス感染の防御・治療法を確立することを目的として研究を開始した。まず、6種類の糖蛋白質からヒドラジン分解法を用いて糖鎖を遊離した後、HPLCを駆使して様々な構造を有するオリゴ糖鎖を調製した。次に、糖蛋白質糖鎖の糖脂質化技術を駆使して、これら糖鎖から様々な糖鎖構造を有する糖鎖プローブ(人工糖脂質)ライブラリーを作成した。この糖鎖プローブライブラリー、各種単糖をBSAに導入した種々の人工糖蛋白質、および天然の糖蛋白質に対するPradimicin A及びその誘導体の結合能をニトロセルロース膜やTLCプレート上で解析した。また、HIV感染阻止活性及びHIV糖鎖によるその活性阻害試験は、HIV(IIIB)感染H9細胞による合胞体形成を指標にして解析した。その結果、Pradimicin A誘導体であるBMY-28864はgp120とMan-BSAに結合し、そのほかの天然の糖蛋白質や人工糖蛋白質には結合しないこと、その結合がEGTAやマンノースによって阻害されること等が示され、この物質がCa^<2+>依存性の糖鎖結合性抗生物質という全く新しい概念の物質であると結論された。また、Pradimicin A及びBMY-28864がHIV感染を阻止し、しかもその阻止活性がHIVのgp120糖鎖の内でも高マンノース型糖鎖の添加によって解除されることや、人工糖脂質を用いた実験から、BMY-28864はHIV表面のgp120糖鎖の内の高マンノース型糖鎖に結合することでHIV感染を阻止していることが示唆された。
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