Project/Area Number |
05276211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
桜井 直樹 広島大学, 総合科学部, 教授 (90136010)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | オーキシン / インドール酢酸 / インドールアセトアミド / インドールアセトニトリル / インドールアセトアルデヒド / トリプトファン / 矮性 / オオムギ |
Research Abstract |
オーキシンはトリプトファンから合成されると考えられているが、その主要な経路はまだ確定していない。本研究では遺伝的にオーキシンの生成が少ない一遺伝子突然変異オオムギ(渦赤神力)と正常系統(並赤神力)を用いてオーキシンの主要な生合成経路を解明することを目的とした。まずIAAの分解速度に並と渦で差がないかを調べた。IAAの分解速度は、渦よりも並のほうが高く、分解速度が渦のオーキシンの少ない原因ではないことが確かめられた。そこでオーキシンに至る直前の生合成経路に注目した。最も活性の強いのは、オキシダーゼであった。渦の方が若干活性が低いが、1/4のオーキシン量を説明できるほどの差ではなかった。ニトリラーゼ活性は渦の方が若干高かった。アルデヒドリダクターゼの活性は弱いが、渦の方が高かった。渦の活性が顕著に低かったのは、アミドヒドロラーゼであった。もしこの活性の差が渦赤神力のオーキシン生合成の少ない原因となっているなら、渦赤神力ではIAMの量が蓄積している可能性がある。そこでIAAの直前の前駆物質、IAM,IAAld,IANの定量を試みた。 これまでの報告通り、渦赤神力は、並赤神力に比べてIAAの量が約1/4である。予想に反してIAM量は並赤神力のほうが多かった。しかし、IAMの量は並赤神力でもIAAと同程度しかなかった。したがって、IAMがオオムギの主要な経路であるなら、生成されたIAMがかなり効率よくIAAに変換されなければならない。IEtは渦赤神力のほうが多い結果が出た。これは、リダクターゼの活性の結果と一致する。IANは検出限界以下であった。すなわち、ニトリラーゼの活性は高いが、幼葉鞘内ではIANは主要な経路ではないことを示している。IAAldの定量は適当な内部標準が見つからず、現在のところ正確な定量ができていない。 以上の結果は、並と渦の合成酵素の主要な違いが、アミドヒドロラーゼにあるように見える。カボチャではすでにアミドヒドロラーゼの部分精製が進んでいるので(Rajagopal et al.1994)、オオムギでも当酵素の精製を進め、アミノ酸配列を決定し、すでに作成している並と渦のcDNAライブラリーから当該の遺伝子を検索したい。今回用いた粗酵素標品では、IAAldオキシダーゼの活性も強く、もしIAAldの量が十分にあれば、主要な経路がIAAldを通る可能性も強い。これを確かめるためには、IAAldの定量が必須であろう。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)