Project/Area Number |
05278235
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北村 幸彦 大阪大学, 医学部, 教授 (70028520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 慎太郎 大阪大学, 医学部, 助教授 (80159087)
辻村 亨 大阪大学, 医学部, 助手 (20227408)
春日井 務 大阪大学, 医学部, 助手 (80214310)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | アレルギー疾患 / マスト細胞 / 即時型アレルギー / IgE / マスト細胞欠損動物 / c-kitレセプタチロシンキナーゼ / ダニ / 寄生虫 |
Research Abstract |
マスト細胞を欠損するW/W^Vマウスではマダニの1種Haemaphysalis longicoris (H.longicoris)が排除されないが、W/W^Vマウスでもあらかじめ正常(+/+)マウス由来の培養マスト細胞を皮下に注射しておくと注射部位ではH.longicorisが排除される。ダニの排除がおこる場所では即時型アレルギー反応がみられ、即時型アレルギー反応はダニの排除に働いており生体に役に立つと考えられる。一方、マスト細胞を欠損するミュータントラット(Ws/Wsラット)が発見され、このマスト細胞欠損症はW/W^Vマウスと同様にマスト細胞の分化・増殖に必須であるc-kitレセプター・タイロシンカイネースをコードしている遺伝子の突然変異によるものであった。そこでマスト細胞を介した即時型アレルギー反応が消化管寄生虫の排除にも働いているのかどうか検討するために、ラットの消化管寄生虫の1種Nippostrongylus brasiliensis(N.brasiliensis)をWs/Wsラットと正常(+/+)ラットに感染させて末梢血中の好塩基球数、小腸粘膜におけるマスト細胞数、皮膚におけるマスト細胞数および糞便中の虫卵の数を調べた。Ws/WsラットにN.brasiliensisを感染させると末梢血中の好塩基球数は感染前の50倍以上に増加し、この程度は+/+ラットの場合と比べて有意差が認められなかった。Ws/Wsラットの小腸粘膜ではN.brasiliensis感染後にマスト細胞の出現が認められたが、その程度は+/+ラットの約10%にとどまっていた。Ws/Wsラットの皮膚ではN.brasiliensisを感染させてもマスト細胞の出現がみられなかった。糞便中にはWs/Wsラットでも+/+ラットの場合と同様に虫卵の数の減少がみられ、消化管内でN.brasiliensisが排除されていることが示唆された。Ws/WsラットでもN.brasiliensisが排除されることから、ラットにおけるN.brasiliensisの排除には少数のマスト細胞でよいか或はマスト細胞の関与は必要でないの2つの可能性が考えられた。
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