Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志賀 弘典 千葉大学, 理学部, 助教授 (90009605)
水田 義弘 広島大学, 総合科学部, 教授 (00093815)
志賀 啓成 東京工業大学, 理学部, 助教授 (10154189)
占部 博信 京都教育大学, 教育学部, 教授 (60027711)
齋藤 三郎 群馬大学, 工学部, 教授 (10110397)
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Research Abstract |
分担者斎藤氏は,積分変換についての新しい手法を用いて,Meyer waveletの像関数を解析関数としてとらえて解析を行い,またポアソンの方程式に関する逆問題の解を与えた.このほか,等角写像論の分野では,局所単葉Bloch関数の性質に関する結果,ある種の非線形偏微分方程式の解の解析性の結果等が得られた.分担者占部氏は,値分布論の立場から有理型関数のfactorizationの問題について,いくつかの結果を得た.有理型関数の値分布理論に関連して,代数的微分方程式の許容解,代数型リーマン面のPicard定数による特徴付け等にいくつかの成果が得られた.また,値分布論に関連して最近,複素力学系の理論が注目されているが,複素多変数の力学系も含めたワークショップが,本研究の一環で行なわれ,critical orbitsに関する結果(分担者上田氏ほか)等いくつかの結果が得られたと共に,ポテンシャル論的方法も含め,複素解析学全般に関連する分野として,今後の発展が期待出来ることが明らかになった.リーマン面・クライン群の分野では,分担者谷口,志賀(啓成),大竹の諸氏のほか,協力者松崎克彦氏等によるリーマン面の双曲幾何とタイヒミュラー空間の座標系との関連についていくつかの結果が得られた.ポテンシャル論の分野では,分担者水田氏等によるリースポテンシャルの連続性の理論展開,Hardy-Littlewoodの定理の拡張等のほか,偏微分方程式のポテンシャル論的研究,無限ネットワークを含む掃散空間上のポテンシャル論(代表者前田ほか)についていくつかの成果が得られた.多変数関数論・複素多様体論の分野においては,上記の複素力学系の理論のほかに,超凸領域におけるBergmann核の境界挙動,チューブ領域の自己同型群,解析空間におけるLiouvilleの定理の一般化,リーマン面の調和モデュールの変分,完備極小曲面のGauss写像の一意性等に関する結果が得られた.
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