Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 久資 名古屋大学, 理学部, 助手 (40211411)
小磯 憲史 大阪大学, 教養部, 助教授 (70116028)
芥川 和雄 静岡大学, 教養部, 助教授 (80192920)
中島 啓 東北大学, 理学部, 助教授 (00201666)
板東 重稔 東北大学, 理学部, 助教授 (40165064)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
本研究は,多様体上の種々の幾何学的変分問題に対して,対象となる幾何構造を,各変分問題における停留点(良い幾何構造)へ変形していく過程に発生する特異点(幾何構造の退化)の構造とその発生のメカニズムを,対応する非線形偏微分方程式系の解の存在・収束・退化の観点から研究し,より統一的に解明することを目的として行われた。 そのために本研究では,研究分担者を組織委員として,この分野で最近著しい研究成果を挙げている研究者,とくに「幾何学と大域解析学」をテーマに開催された「第1回日本数学会国際研究集会」に招待講演者として選ばれた若手研究者を中心に,平成5年7月2日〜7月10日にかけて東北大学理学部においてワークショップを開催し,共同研究を行った。 この共同研究により,例えば,調和写像をはじめ弾性曲線やヤン・ミルズ場およびリーマン計量の共形変形に関する山辺の問題の研究などにおける,停留点への変形を記述する非線型発展方程式系の弱解の構成法が統一的に理解された。 この共同研究は,我が国におけるこの方面の共同研究をより緊密にするとともに,上記の国際研究集会において日本側の研究成果をより効果的に発表することにも大いに寄与し,その成果はこの国際研究集会のプロシーディングスに10篇の論文として発表された。 一方,この共同研究では,調和写像,極小曲面,ヤン・ミルズ場,アインシュタイン計量などの研究において幾何構造の退化として現れる,いわゆる「バブル・アップ」現象の解明にも焦点をあて,コンピューターシミュレーションによる模擬実験の現状について報告し合ったが,これについてはコンピューターグラフィクスの効率的利用法をはじめ,多くが今後の課題として残された。
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