Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 弘 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (30065916)
木村 栄一 広島大学, 医学部, 教授 (30034010)
大川 尚士 九州大学, 理学部, 教授 (00037219)
鈴木 晋一郎 大阪大学, 教養部, 教授 (70116052)
上山 憲一 大阪大学, 理学部, 教授 (80093376)
|
Research Abstract |
金属酵素など,種々の金属錯体を含む生体内反応系を解明し,化学反応系の構築とその生物機能を調べることを目指して,次の3項目に関する研究を企画し,調査を行った:1)多元金属錯体反応系の化学的構築,2)多元金属錯体反応系の分子配列,3)生体反応系の構造と機能発現メカニズム.調査の結果,生体系の大きな特徴は,金属酵素などが物質の交換経路上あるいは電子伝達経路上に有機的に配列され,反応が精密にコントロールされていることであり,このことが生体内反応の方向性と機能を支配しているため,生命現象の解明には個々の反応を統一し,方向性を有する反応系を構築することが求められているとの結論に達した.さらにこの方向で,現在進行中の生物無機化学研究に続く次代の生物機化学を目指して,生物機能が必要とする多成分から成る金属錯体系の研究を展開すべく,重点領域研究を推進するべしとの一致を見た.そこで,さらに(1)生体反応系の解明,(2)化学反応系の構築,(3)分子配列,(4)生物機能,の各面からの研究を企画し,研究対象,方法論,意義などに関して調査を行って,全体としての研究体系を検討した.本研究結果をふまえて,平成7年度発足重点領域「生命金属元素の超機能システム」として申請を行なった.本申請では,A)環境と医療における超機能システム,B)超機能を支える反応制御,C)超機能が求める高次構造,D)超機能システムの化学的構築,の各研究項目を柱として,生物機能と化学機能とを結びつけると共に,医学や地球環境保全に貢献することをも目指している.
|