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¥31,300,000 (Direct Cost: ¥31,300,000)
Fiscal Year 1993: ¥31,300,000 (Direct Cost: ¥31,300,000)
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Research Abstract |
植物の光応答機構の化学的解明を目指し,光の存在下および非存在下50mlの三角フラスコ数10個中,種々の条件で培養した植物細胞(アカザ,ニンジン,ウコンなど)をメタノールで抽出し,さらに水,ブタノール,および酢酸エチルで分配をおこない,抽出物の生物活性を調べた。その結果,光の存在下で行なったときに,各植物の酢酸エチル可溶部に自己成長阻害活性を見いだした。そこで,かなり大量の組織培養を3カ月間行ない,その抽出物に植物細胞成長阻害活性が明かに見られた。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー,分取薄層クロマトグラフィーなどを用いて分離し,活性物質の追及を行った。しかし,活性物質の量が極めて少ないため,現在純粋な活性物質を単離することには成功していない。この過程でシクラメンおよびナナカマドからそれぞれ新規配糖体を単離し,構造決定することに成功した。これらの内,シクラメンより単離した配糖体にはフェニルブタゾンの約7倍という強い抗酸化活性(ラット好虫球からの過酸化水素の遊離を特異的に阻害する活性)が見いだされた。 また,光の照射下と非照射下では組織分化が異なって来ることも明かとなり,それぞれに関与する化学物質検索のための生物活性試験法を検討し,生物活性試験に最低2から3週間要するが,培養細胞から根を分化するのに光の存在が関与しているという興味ある結果を得た。
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