Project/Area Number |
05452277
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical properties of metals
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Research Institution | Shizuoka Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
吉田 豊 静岡理工科大学, 理工学部, 助教授 (40241129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 英雄 岩手大学, 工学部, 教授 (30134042)
藤田 英一 静岡理工科大学, 理工学部, 教授 (90029380)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥6,400,000 (Direct Cost: ¥6,400,000)
Fiscal Year 1993: ¥6,400,000 (Direct Cost: ¥6,400,000)
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Keywords | Ti-Fe合金 / 高速拡散 / メスバウア分光 / 格子間原子 / omegaエンブリオ |
Research Abstract |
高速拡散するFe原子をalpha-Tiとbeta-Ti中において高温メスバウア分光により直接捉え、原子的尺度でFe原子の高速拡散機構を明らかにしようとすることが本研究の目的である。これまでに得られた主な結果をまとめる。 1.新しく製作した超高真空チャンバーに装着した電子ビーム溶解装置(購入)によりTi_<1-x>-Fe_x合金(x=1、5、13、17at%)の試料を作製して、高温beta-相におけるメスバウアスペクトルの測定をおこなった。 2.高温beta-Ti中においてFe原子のメスバウア・スペクトルは2つのローレンツ成分で解析可能で、比較的シャープな成分と、これよりも約10倍だけ線幅の拡がった成分が観測される。(詳細なFe濃度変化は現在さらに測定中)。 3.後者の線幅増加から評価した拡散係数は、トレーサー実験で求められた値と一致する、これは以前吉田とG.Voglにより行われたbeta-Zr中のFeの高温メスバウア実験では観測できなかった"高速拡散するFe原子"を直接捉えたことを意味する。 4.beta相から急冷した試料室温でのメスバウア・スペクトルは1成分しか観測されない。ところが、X線回折ではbccであることが確認されるにもかかわらず、スペクトルには小さい四重極相互作用によると考えられる分裂が見られる。この結果はFe原子がomegaエンブリオの中に存在する可能性を示唆している。omegaエンブリオは高速拡散機構を解明する上で非常に重要であり、現在、新たに購入したメスバウア測定用クライオスタットにより、低温領域の実験を行っている。 5.さらに、omegaエンブリオの動的挙動を取り入れた高速拡散のモデルを考えて、メスバウア・スペクトルの計算を行っている。
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