Project/Area Number |
05453088
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Material processing/treatments
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
池野 進 富山大学, 地域共同研究センター, 助教授 (70115129)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 銅-亜鉛合金 / ベイナイト反応 / 晶癖面 / 濃度依存性 |
Research Abstract |
Cu-40,42,44%Zn合金をβ'単相とし、種々の温度と時間で熱処理してα相を生成させた。 1.熱処理と加工を組み合わせて各濃度の試料で所定の面方位を生成させ、さらに機械研磨を加えて0.2^0以内に調製した。解析に用いた結晶面方位は(001),(011),(111)面である。 2.熱処理温度200℃の場合、生成の極初期にはいずれの合金にも〈111〉方向に伸びた束状に交差した棒状のα相が観察され、それを核として板状α相が成長し試料全面を覆うようであった。しかし観察された全ての板状α相が棒状α相を核としているようではなく、結晶粒界等を核として生成したα相も観察され、生成機構は単純ではない事が明らかになった。 3.Cu-42%Zn合金では熱処理温度をほぼ350℃以上にすると板状α相が生成せず、粗大な棒状α相が生成した。亜鉛濃度が増加するに従い、棒状α相が小さくなる。板状α相は亜鉛濃度が高くなると生成開始時間が長くなり、非常に微細な大きさで生成し始める。 4.過去に亜鉛濃度が異なると板状α相の母相との晶癖面が大きく変化するという報告が在ったが、本研究により亜鉛濃度が変化しても母相とα相との晶癖面は殆ど変化しないことが明らかになった。亜鉛濃度が異なってもα相の形状は基本的に類似した形状を持っており、成長速度から求めた活性化エネルギーも殆ど同じ値を取った事を合わせて考えると、本合金系のα相の生成・成長機構は基本的に同じものと考えられる。すなわち、板状α相の特殊な形状と母相との固定された晶癖面を持つことを考慮すると、生成はマルテンサイト変態類似の剪断的な機構であり、成長は亜鉛及び銅の体拡散によると類推され、従来の報告とは異なり、亜鉛濃度によりその機構は変化しないと考えられる。
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