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¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
Fiscal Year 1993: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
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Research Abstract |
ミトコンドリアの融合は菌類や藻類から高等植物に至るまで広く観察されている.これがミトコンドリアの有性過程として機能しているのであれば,融合は両親由来のミトコンドリア間で起こり,ミトコンドリア核が融合しmtDNAの組換えが起こることになる.本研究は,このミトコンドリア融合過程を真正粘菌を用いて動的・分子形態学的に解析することであり,種々の顕微鏡法や染色法を用いてミトコンドリア核融合とmtDNAの組換えとの関係を明らかにし,両親由来のミトコンドリアが識別される仕組みを種々の蛍光プローブを用いて明らかにすることにあった.このためには,(1)ミトコンドリア融合時の動態が生体観察でき,(2)mtDNAとプラスミドの挙動が分子レベルで追跡できなければならない.また,(3)両親由来の各ミトコンドリアが顕微鏡レベルで識別できる必要があった.もしミトコンドリアに雌雄性があるなら,2つの細胞が融合し,異なるミトコンドリアが同一細胞内に共存する時期にミトコンドリアは高頻度に融合することになる.今回は,真正粘菌の特色を活かし,粘菌アメーバの通常の接合期と2倍体アメーバや変形体融合といったヘテロプラズモンが遺伝学的な操作によって作り出される時期を中心に解析した.その結果,粘菌アメーバの接合頻度が最大になる交配型遺伝子(matA,B,C)を持つ株を作出し,変形体あるいは2倍体アメーバを高頻度で誘導することができた.また,変形体融合が可能な組合せの変形体融合遺伝子(fusA,B,C)を持つ変形体を作出し,それぞれの株にはmtDNAの多型を持たせると同時に必要に応じてmFプラスミドや他の制御因子(mitA)を遺伝学的に導入することができた.これによって,ミトコンドリア融合過程の動態を位相差額微鏡法,ノマルスキー微分干渉法および生体蛍光染色法等で生体観察することが可能になり,特に変形体融合時にミトコンドリアが高頻度に融合する現象を見いだした.
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