Budget Amount *help |
¥6,200,000 (Direct Cost: ¥6,200,000)
Fiscal Year 1993: ¥6,200,000 (Direct Cost: ¥6,200,000)
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Research Abstract |
Spectrin superfamilyに属するdystrophinは形質膜直下のactin meshworkと形質膜内蛋白群を結ぶmembranoskeletonであり,骨格筋/心筋/平滑筋のみならず能/肝といった非筋組織にも存在し,筋組織で400kD/非筋で71kD(Dp71)が主成分である。Dystrophin類似蛋白utrophin(-400kD)はdystrophinより広汎な組織に存在し,筋では神経筋接合部に局在する。骨格筋DystrophinはN端でactin filamentと,C端側で糖蛋白複合体と結合し,後者は156kD/43kDのalpha/betadystroglycan,35kD/50kDAdhalin,その他のsubunitsといった3種以上の蛋白群が別個に結合し,alpha-dystroglycanは細胞外基底膜主成分laminin(merosin/B1/B2複合体)に結合するlaminin receptorと考えられてきた。 本研究はA:utrophinが結合しうる形質膜蛋白群の解明とB:Dp71とそれに結合しうる形質膜蛋白群の解明を追求した。Aについてはutrophinの組織分布を検討。血管内皮細胞に多かったが,免疫組織および抽出からutrophinの多くがcytosolに存在し,形質膜直下には一部しか存在せず,2つの異質のutrophinの存在が示唆された為,現在生化学的に検討している。Bについて重要な新知見が得られた。脳の検討中,末梢神経に脳より豊富なalpha/betadystroglycanっが含まれalphaは筋と異なり約120kDである事,このcomplexが髄鞘最外層の形質膜のみに存在して基底膜lamininにcalcium依存性に結合,その至適濃度は1mMである事。他方形質膜直下には400kDより短くかつ脳71kDとも異なる116kDが存在していた。また,筋に存在するadhalinは神経系に存在しない事も判明した。脳には末梢神経より少ないが確実にdystroglycanが存在する。従来脳実質にはlamininは存在しないとされ,脳dystroglycanの生体内laminin結合様式,脳内の詳細な局在についてさらに精密な分析後発表する。
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