全合成系人工酸素運搬体リピドヘムマイクロスフェアの酸素運搬能に関する基礎的研究
Project/Area Number |
05454389
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Thoracic surgery
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小林 紘一 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (80051704)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 雅文 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70169770)
加藤 良一 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00161133)
菊地 功次 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (40129408)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 1993: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
|
Keywords | 人工酸素運搬体 / 人工赤血球 / 全合成系人工酸素運搬体 / リピドヘム-マイクロスフェア |
Research Abstract |
II価の鉄を持ち可逆的に酸素の吸脱着ができるlipidhemeの合成をした。このlipidhemeの運搬体として静脈内投与用の脂肪乳剤の脂肪油滴を用い、この油滴の周囲をLipidhemeで被覆することにより全合成系の酸素運搬体を作成した。本物質の生体内における酸素運搬体としての機能を動物における脱血交換実験で検討した。当初、循環血液量の80%までの脱血を目指してプロトコールを作成したが、当材料の作成量が250ml/2月と少なく、また予備実験の数がM=2頭と少なかったので、本年度循環血液量の40%までの実験にとどめ、その数をM=7まで増やし、LHMの酸素運搬能についての検討を行った。 [方法]ビーグル犬を全身麻酔し機械呼吸下に実験を行った。循環血液量の40%に相当する30ml/Kgを急速脱血して出血性ショックを作成した。その後脱血量と同量のLHM溶液を静脈内投与した。脱血後の心拍出量、ヘモグロビン濃度(HB)の測定や動脈血や混合静脈のガス分析を行った。LHMのヘムの血中濃度をcyanomethohemoglobin法により、ヘムの酸素飽和度をvisible absorption spectrum法により測定した。HBとLHMによる酸素運搬量(TO_2ml/min)、HBとLHMからの酸素消費量(VO_2ml/min)を計算した。さらにLHMによる酸素運搬量を総酸素運搬量で割ることにより総酸素運搬量におけるLHMの貢献率(%TO_2)を、LHMからの酸素消費量を総酸素消費量で割ることにより総酸素消費量におけるLHMの貢献率(%VO_2)を計算した。 以上、この実験系において静注後3時間までLHMによる酸素運搬量は総酸素運搬量の15.5〜10.5%を、LHMからの酸素消費量は総酸素消費量の15.2〜11.1%を占めており、LHMが酸素運搬体としての機能を持つことが示された。栄養補強剤としての脂肪油滴の安全性には問題がなく、lipidhemeの安全性が確立されれば血液型を考慮せずに使用できる人工酸素運搬体が開発される可能性がある。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)