光環境と松果体機能-紫外光と長波長光の相反効果について
Project/Area Number |
05455011
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
広領域
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
森田 之大 浜松医科大学, 医学部, 教授 (80034164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 勝久 浜松医科大学, 医学部, 助手 (10168693)
保 智己 浜松医科大学, 医学部, 助手 (60188448)
鮫島 道和 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (80135251)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 松果体 / 紫外光 / 光情報処理 / 電気生理学 / 光・神経・内分泌変換機構 / 神経回路網 / 免疫組織化学 / メラトニン・リズム |
Research Abstract |
脳室周囲器官の一つである松果体は光環境と密接な関係をもっている。系統発生学的に古い動物種である円口類、硬骨魚類、両生類などでは、松果体自体に光情報の受容機構がある。これら直接の光受容機構をもつ松果体を用いて光-神経-内分泌変換機構について、特に波長の差による光の効果に焦点を当てて分析した。 (1)電気生理学的分析:カワヤツメ松果体について感色性ニューロン応答の分析を行った。興奮性応答は540nmに、抑制性応答は380nmに最大スペクトル感度を示した。短時間(数秒間)の光刺激では抑制性応答は興奮性応答に較べて100倍も高い感度であったが、長時間の光照射では抑制性応答の感度は持続しなかった。しかし、長波長光を併せて照射すると、短波長光による抑制効果が持続するという興味ある現象を見出した。これは光受容に際してphotointerconversionが起きているためと考えられる。 (2)免疫組織化学的分析:視物質の蛋白部分であるオプシンの抗体を用いて松果体の光受容細胞の内、波長識別機構に関与する錐体系の検討を行った。カワヤツメ網膜の長型光受容細胞の抗体を用いて検討した結果、松果体の終末襄の周辺部、アトリウム、神経束に陽性反応が見られた。次にトリ網膜視細胞の杆体および錐体のG蛋白に対するそれぞれの抗体を用いた。カワヤツメ、硬骨魚の松果体共に反応は見られなかった。なお、トリの松果体でも陰性であったことは興味深い。網膜と松果体のG蛋白に違いがある可能性が考えられる。 (3)メラトニンリズムの検討:カワヤツメ松果体を培養し、分泌されたメラトニンをRIAで測定したところ、ほぼ24時間周期の分泌を認めた。このことは松果体自体にサーカディアンリズムのオシレータがあることを意味する。このオシレータに対して前記の波長検出型ニューロンが拮抗的に作用していると考える。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)