Project/Area Number |
05610098
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教育・社会系心理学
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
斎藤 耕二 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (70014686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 秀樹 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (10196305)
渡邊 祥子 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (90014761)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 発達 / 青年期 / 概念形成 / 文化比較 / 人間性の概念 / 面接法 / 発達段階 / 認知発達 |
Research Abstract |
本研究は、「人間性の概念」(concept of human nature)に関する発達的分析及び、その背景となる文化・社会的影響との関連を調べるために、文化比較(国際的)を試る目的で、ドイツの研究者と協力して実施されたものである.本研究の基本理論は、協同研究者であるミュンヘン大学のR.Oerter教授の人格構造理論である.この理論は、従来からある人格の発達理論を統合・組織化したもので、人格を1.パーソナリティー理論.2.社会・環境的理論 3.行動理論.4.思考過程の4領域で分けて、各々について5つの発達段階(I.II.IIIa・IIIb.IV)を設定して構造化している.この理論に基いて、Oe教授は既に独.米.インドネシア.中.韓の5国で調査を実施して、その結果を得ている.本研究は.それの日本における調査である.測定の方法は「人間性の概念」について(1)「成人とは何か」と質問する直接的課題と(2)「仕事と家庭」及「経歴」に関するディレンマストーリーから間接的に問う課題の2種類を作成して、全て面接法により回答を得た.被験者対象は18才から25才までの男女100名で更に学歴で高・低の2群を設定.各群25名ずつを予定して始められたが、実際には、インタビュアーの特殊技術の訓練やインタビュー録音テープの原稿作成、その英語(独語)翻訳及び日独間での分析に関する意見交換等に多大の時間を費やしたため、今回は48名の分析に終った.その結果、性別と学歴の高低について、両要因とも、発達段階のIIIa、IIIb、IVに頻数の分布が見られて、青年期から成人期への発達的特色が見られた.中でも、注目されるのは、IIIaからIIIbに至る間に、IIIa-bまたIIIbとIVの間にIIIb-IVの中間(移行)段階が存在したことと、年令による単純な発達段階や学歴による発達の高水準化傾向よりも、むしろ、社会的要因(職業経験等)に関連が深い傾向が見い出されたことが興味深い.例えば、女子の低学歴者(高卒.専校卒)において、IIIa(12%)IIIa-b(18%)IIIb(59%)IIIb-IV(12%). 今後の課題として、更に資料を収入し、国際比較を検討したい.
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