Project/Area Number |
05610102
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教育・社会系心理学
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 正文 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (30197470)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 南極越冬 / 閉鎖・隔離環境 / 心理テスト / 人間関係 / 適応 |
Research Abstract |
第32次南極越冬隊から3年計画で開始された越冬隊員への心理テストの実施は、1993年3月に帰国した第33次越冬隊で計2隊になった。本年度は第33次越冬隊で得られた心理テストの結果の分析を行うと同時に、すでに分析の終了している第32次越冬隊との比較検討を行ったが、両隊間で一番目立った特徴は回収率の大きな違いであった。第32次越冬隊では11種類、繰り返しも含めて延べ17回の心理テストを実施し、その平均回収率は91.2%であったのに対し、第33次隊では8種類、延べ14回の心理テスト実施に対し、66.4%の回収率に留まった。このテストの内でもとくに際だった差を見せたのが帰国後に実施したソシオメトリーテストの一種である対人反応尺度であり、32次隊では31人中28人の回収に対し、第33次隊では36人中わずか4名の回収に留まった。回収率の高低は隊の中での人間関係に深く依存しているようであり、第32次隊では筆者自身が隊に直接参加していたこともあって、テストの提出は各人の自由参加であったにもかかわらず非常に高い回収率が得られた。また、隊それぞれの凝集性の高低にも影響を受けているものと解され、さらに隊の凝集性は隊のリーダーの資質の違いやリーダーとフォロワーとの関係などの様々な要素が関与しているのかもしれない。両隊に共通の特徴として、提出率は観測系隊員に高く、設営系隊員に低かった。このことは南極越冬という普段の生活に比べて刺激の非常に少ない閉鎖・隔離環境下における両者間の適応性の違いとして把握出来そうである。1994年3月には第34次越冬隊が帰国し、最終のデータを入手するが、これらの分析によってさらに詳細な閉鎖・隔離環境下での適応問題について記述が出来るものと期待している。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)