自己融和性(自己感覚)の障害を測定する質問紙尺度の作成と基礎的検討
Project/Area Number |
05610126
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教育・社会系心理学
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Research Institution | Okayama Prefectual University-Junior College |
Principal Investigator |
上地 雄一郎 岡山県立大学短期大学部, 健康体育専攻, 助教授 (80161214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 一博 千葉大学, 教育学部, 助教授 (60144789)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1993: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 自己愛 / 自己融和性 / Kohut / 質問紙 / 居場所・拠り所 / 自己顕示 / 承認欲求 / 誇大性 |
Research Abstract |
従来自己愛として概念化されてきた人格傾向を、Kohutにならって自己の健康さとしてとらえ直した。Kohutによれば、空間的・時間的連続性、活気、自尊心を備えた健康な自己(融和性のある自己)は、【.encircled1.】自己を確認・承認されたい欲求が適度に満たされた結果生じる野心と【.encircled2.】理想化された対象と一体化したい欲求が適度に満たされた結果生じる理想・目標からなる。このような野心、理想、目標が形成されないとき、自己を安定させ活気づける内的道標がないので、人は外的他者の承認・賞賛や外的基準に依存するしかなくなる。 本研究では、上記のような視点に立ち、【.encircled1.】過度な承認欲求を感じることなく健康な自己顕示ができるかどうか、【.encircled2.】外的な基準に依存しすぎず内的な理想や目標に従っているかどうかという2側面から自己の健康さを測定することにした。そして、34項目(4段階回答)から成る質問紙Aを作成し、大学生256名に施行した。結果を因子分析し、「居場所・拠り所」、「自己顕示」、「承認欲求」、「誇大性」と解釈される4因子を抽出した。因子分析の結果から項目数を29に絞り、上記4因子に負荷量の高い項目を下位尺度とする質問紙Bと自尊心尺度を大学生298名に施行した。自己の健康さと自尊心との相関を検討したところ、「誇大性」を除く3下位尺度の得点と自尊心の得点との間に有意な正の相関(0.416〜477)が見られた。また、質問紙Bを大学の保健管理センター等に来談する神経症学生53名に施行し、問題のない学生の得点と比較した結果、各側面で有意な差が見られた。 しかし、この質問紙は因子分析の結果が予想とは違ったものとなり、理論的予測と回答者の実際の内的体験とは異なることが推測される。今後は、この結果に基づいて項目内容を検討し、項目数も増やして、さらに検討を加えていく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)