Project/Area Number |
05610174
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
社会学(含社会福祉関係)
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Research Institution | Tokyo Bunka Junior College |
Principal Investigator |
大出 春江 東京文化短期大学, 家政科, 助教授 (50194220)
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Project Period (FY) |
1993 – 1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1994: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 1993: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | リプロダクティブ・ライツ / 陣痛促進剤 / 自然分娩 / 出産 / 妊娠 / 医療 / 助産婦 / 質的分析 / 出産文化 / 相互作用 |
Research Abstract |
平成6年度補助(05610174)により実施した調査研究は、平成5年度につづき現代社会における出産と医療の問題にかんする文献研究、および妊娠・出産を契機に構成された女性たちの集団がまとめた出産に対するさまざまな見解を検討し、そのうちとくに陣痛促進剤の使用をめぐり、出産への医療介入を産む側はどのように捉えているかに焦点をおいて行った。分析はインダビュー資料を参考に、主としてぐる-ぷ・きりんによる資料を用いた。 前年度の補助により行った研究から、産む側がなぜ会陰切開に対し比較的高い適応をみせるのかについて説明を行った。すなわち、〈会陰切開への適応〉にとって(1)会陰切開合理化認識(2)会陰切開合理化条件(3)切開と痛みの関連認識、の3つが説明要因として析出され、とりわけ(1)会陰切開合理化認識の相対的重要性を指摘した。この合理化認識は二つの基盤にまたがり、一つは複数の合理化要因、産む側が医学的根拠を内面化した結果「会陰切開はなぜ自分にとって必要だったか」に説明を与えている。他の一つは「みんながするもの」という常識であり、同世代の友人と雑誌・本がこの常識形成の媒体になっていることを指摘した。この図式を参考にしながら、会陰切開と同様、出産に現場「病院による差はあるが)ではルーティン化している陣痛促進剤使用に対する態度と意識についての分析を進めた。 その結果、(1)陣痛促進剤使用をなぜ納得しているか(2)陣痛促進剤使用決定にみる医師-産む側の関係(3)陣痛促進剤に対する基本的態度(4)陣痛促進剤がもたらす痛みと、他の副作用に対する不安、の4つの項目が立てられた。そして会陰切開同様に、医学的根拠の内面化によって生まれた(1)が促進剤使用合理化認識が重要であることが確認された。医学的根拠の内面化による促進剤使用合理化が生まれるのは、それに代わる経験的情報の不足であり、その伝達の場がないことである。また(2)について出産の場において支配的な相互作用のパターンの存在を指摘し、このパターンを双方向的関係にしていくことが出産の経験的情報の共有と同様重要であることを明らかにした。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)