Project/Area Number |
05610283
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Japanese history
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Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
田崎 哲郎 愛知大学, 文学部, 教授 (30064728)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 牛痘種痘法 |
Research Abstract |
本年度は深題に沿って、種痘についての史料の収集に重点を置いた。種痘は外来のものなので、日本に伝来した本に関する調査と、国内で書かれた関係書の確認の両面から行った。前者については、蘭書関係はこれまでも研究があるが、中国書についてはほとんど調べられていないので、この点に特に注意した。中国での最初の牛痘種痘法の本は、多林文〓、跛臣訂、期〓〓〓〓、鄭崇謙書『〓吉利国新出種痘奇書』(1805、広州)である。この本はこれまで中国で見出されていなかったが、British drlrcmyni〓蔵されていることが分り、訪問してコピーを入手、関係者の経歴についても若干分かった。日本での翻刻二種(一つは伊藤圭介による)との関係を吟味しつつある。中国人による最初の牛痘種痘書、〓洪川『引痘略』(1817、〓問)は百年〓の間に30種以上の版があり、天保年間日本への渡来も知られ、二種の翻刻もかなり読まれていたと推測される。香港や広州で原本の調査を行ったが見出せなかった。本書の中国での普及のより具体的な把握は日本との関係でも重要であり、課題として残った。 国内の調査は国立教育研究所、神宮文庫(伊勢市)、東京古典会、彦根市博物館、〓雨〓〓(大阪市)、京大図書館、富山学市図書館、国立公文書館、立正大、東京大学図書館、歴史民俗博物館(佐倉市)、津山〓学資料館、くすり資料館(岐阜県)などを調査し、関係書数十点をコピー又は写真版とすることを得た。尚古集成館(鹿児島市)のポンへの種痘書はコピーを入手した。これらにより関係書の〓〓部分を集め得たので、日本における牛痘種痘法の過程の細かい検討が可能となり、取り組みつヽある。具体的医家の調査は札院〓国家、愛知県安城市の中根家、三好町の〓井家、津具村の山崎家について行った。地域の医家としての様相も検討しうる史料を得ることができた。山崎家の譲平の種痘実施記録を含む日記『日知録』を『日本農書全集』第II期42巻に収める予定である。
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