Project/Area Number |
05610290
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Japanese history
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
丑木 幸男 国文学研究資料館, 史料館, 教授 (60223525)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 養蚕型地主 / 星野家 / 群馬県 / 水沼村 / 金融活動 / 名望家 / 村方地主 / 地主制史研究 |
Research Abstract |
1.養蚕型地主の事例として群馬県勢多郡黒保根村水沼の星野家を選定し、同家文書の集中調査を平成5年8月11日〜14日に群馬大学院生等の協力を得て実施した。それ以外に、事前調査・補充調査を3回実施した。 2.星野家以外の事例として群馬県吾妻郡中之条町折田の折田家文書および鳥取県立公文書館を調査した。 3.星野家文書はいくつかの機関・研究者がすでに部分的に調査し、複数の文書番号が与えられていたり錯雑していた5,682点の文書を整理・保存し、未調査文書のうち1245点を調査した。 4.調査史料のうち205点のマイクロ撮影を行い、紙焼きした。 5.以上の史料により養蚕型地主の経営を分析した。近世中期から機業地として発展した上洲山田郡桐生および大間々へ生糸・繭を売り込む在郷商人へ、その集荷資金を提供する金融活動によって星野家は台頭し、土地集積は星野家の経営のなかでは金融活動に付随する副次的な位置を占めたことを明らかにした。生産力が低いために土地が利潤を生み出す源泉ではなく、手余り地が発生し、そのため村役人となった星野家が村の振興につとめ、近世後期に救済資金の提供、明治初年に産業育成をはかり、村方地主から地方名望家に転身することを推定し、近世史と近代史とで断絶している地主制史研究状況の克服を試みた。 6.今後の課題 (1)星野家の近代の書簡類を主とする未調査文書(段ボール18箱)の調査を継続し、特に近代の養蚕型地主と名望家としての活動を明らかにする必要がある。 (2)星野家以外の地主経営についての調査は不十分であったので、西南日本型・東北日本型地主の特色を明らかにしたうえで、養蚕型地主の位置づけを明確にする。
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