Project/Area Number |
05610358
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
国文学
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
石田 忠彦 鹿児島大学, 法文学部, 教授 (10159733)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 坪内逍遥 / 演劇改良 / 改良 / 美術(芸術の意味) / 進化 |
Research Abstract |
坪内逍遥の演劇改良理論を研究するために、その芸術理論に影響を与えたはずの東京大学時代の学術・言論界の動向を知るために、本年度は次の雑誌を調査した。 1.「明六雑誌」(明7.3〜8.11)1〜43号。この雑誌は、西欧の学術を広く我が国に紹介しようとする啓蒙的な内容であるにもかからわず、芸術・文学・演劇についての記事はほとんど見られない。 2.「共存雑誌」(明8.1〜13.5)1〜67号。この雑誌は教育・経済・外交・宗教・哲学などをその内容とする総合雑誌であるが、その中にある国語論・訳語論が芸術理論を考える場合にも興味深い。 3.「同人社文学雑誌」(明9.7〜16.5)1〜92号。この雑誌は、歴史・伝記・哲学・漢詩文・西洋文学などを内容とし、文学という用語を広く人文科学一般に使っている。現在使われる文学については、西洋文学の紹介や漢詩文の掲載があるが、それは必ずしも新しい文学理論の輸入というわけではない。 4.「明治協会雑誌」(明16.1〜19.9)1〜127号。これは、経験主義・合理主義・実証主義といったいわゆるイギリス学を紹介するものであるが、坪内逍遥の友人である高田早苗などが中心になった政治雑誌だとしても、逍遥の文学・演劇理論を考える場合に、その社会進化論などの背景となった当時の輸入思想が明確になるものである。とくに高田早苗の哲学的立場は逍遥に近い。 5.「中央学術雑誌」(明18.3〜26.11)1〜59号。これは逍遥自身が関係した雑誌である。そのため、逍遥の文学・演劇理論を知るために欠かせないものであるが、同時に、東京大学卒業後の時期における逍遥を取り巻く芸術的・思想的・学術的状況がよく理解できる。
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