Project/Area Number |
05620004
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
山岡 健 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (00210328)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Keywords | 若者組 / 間人主義 / 山村における共同体財産所有型村落 / 五人組 / 非公式の社会統制 / 人間の社会行動を現実に決定する規範 / 日本型システム / 生ける法 |
Research Abstract |
1.北股地区の村落社会構造は、区有林という共有財産を村落共同体が持ち、それに村民の生計の比重が大きくかかっているという意味で、『山村における共同体財産所有型村落』とみなされる。 2.「生ける法」は、単なる観念上の存在ではなく、『人間の社会行動を現実に決定する規範』であり、また、「生ける法」の法的性格は、支配・服従関係を体現する限りでの非公式の社会統制であること。「五人組を経験しなければ、村の一人前としての資格が得られず、そして、区有財産(区有林の権利)の仲間入りをさしてもらえない。五人組は、北股で生きていくうえでたいへん重要な意味をもっている。」これは、まさしく、「人間の社会行動を現実に決定する規範」なのであり、支配服従関係を体現する限りでの非公式の社会統制である。すなわち、「生ける法」である。 3.「若者組」は、伝統的文化に基礎づけられた独自のシステム特性が見出される。すなわち、若者集団の内部秩序は、「年輩序列」の原理により、厳しく統制されている。 4.「日本型システム」の特性、(1)日本型システムの人間的基盤は、「関係体」としての「間人」という新たな人間モデルに求められる。(2)「間人主義」の価値観は、「相互依存主義」、「相互信頼主義」、「対人関係の本質視」である。(3)日本社会の伝統的な基層をなす社会システムは、「間人」と呼ぶことが適切である「関係体」を成員とし、彼らに全面的な帰属と生活の場を提供する、高度に自律的・自立的な組織である。 5.「間人主義」の価値観が、「若者組」のシステム特性と、どのように関わるのか? このことについて、今後、分析・検討しなければならない。
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Report
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Research Products
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