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¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
代数曲線の基本群上のガロア表現については,研究の方向について新たな見通しが得られた。それは代数曲線のべき零なレベル構造付きのモジュライ空間を考えその定義体を問題にすることである。これを純代数幾何学的に定式化するのは少々面倒になるが、代数曲線のモジュライ・スタック上の正準的な(代数曲線の)普遍後に随伴する,ファイーバの基本群上のモノドロミー表現を開いて簡明に問題を定式化できることをまず見出した。いま素数lをひとつ固定すると、上の構成より,有理数体Q上にある無限次ガロア拡大の塔で最初がQに1のlべき乗根を全て付け加えた体で,その上にl^∞次のべき零拡体たちの塔でで各段階の相対ガロア群が有限生成Zl-加群となるものが自然に生じる。これがP^1-{0,1,∞}のとき伊原が調べたものと同じかどう知るのは興味深い問題である。いくつかの得られた結果は両方が“よく似ている"ことを示す('93年6月Bounで話す) 宮崎琢也氏(数理研,大学院D1)といっしょに,2次シンプレクティク群Sp(2:IR)の主系列表現のwhittaker関数でminimal K-typeをもつものの満す偏微分方程式系を明示的に求めた。これはS_P(2:Q)の保型形式のL-関数の完全な理論を得るための実素点での研究の重要なステップであるとともに,整数論の問題をはなれても,物理数学の重要な主題である戸田格子(openで量子力学の時)の新しい例も与えている。 伊原と松本はbraid群の完備への絶対ガロア群GQの作用のさらに精密な研究をおし進めた。玉川は代数曲線とその上の有限個の点の組みが退化するときに,惰性群の基本群への作用を記述する結果を得,さらにDirnfeld加群のTate予想(の類似物)を証明した。
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