Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江田 勝哉 筑波大学, 数学系, 助教授 (90015826)
星野 光男 筑波大学, 数学系, 助手 (90181495)
増田 哲也 筑波大学, 数学系, 講師 (70202314)
相山 玲子 筑波大学, 数学系, 助手 (20222466)
酒井 克郎 筑波大学, 数学系, 講師 (50036084)
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Research Abstract |
研究代表者及び分担者は曲面の写像類群の研究を通して3次元多様体の位相的性質を明らかにするため,特に曲面上の同相写像を円周S^1上の同相写像に帰着させるNielsen-Thurstonのideaに基づき,交付申請書の研究目的・実施計画に沿って研究を進め以下の成果を得た。 1.研究目的(1)について。種数2以上の曲面Σ上の双曲的普遍被覆写像P:1H^2→Σの被覆変換群Γは,1H^2(双曲平面)を単位円板モデルとするとき,単位円周S^1上にも作用しているとみなせる。このとき,S^1上の同相写像fがΣ上の同相写像に対応するための必要十分条件はf^<-1>Γf=Γである。 2.研究目的(2)について。Σ上の双曲的構造を定めるΓ及びP:1H^2→γに関し,正多角形を基本領域とするもので,従来知られているΓと異なり,多くの良い対称性をもつΓを発見した。これは研究目的(2)の方向での今後の研究に大いに寄与することが期待できる。 3.研究目的(3)について。VをΣを境界にもつ3次元ハンドル体とする。V上の同相写像は境界Σ上の同相写像を引き起し,更にS^1上の同相写像に対応する。逆はそれぞれの段階で一般には対応しない。S^1上の同相写像がV上の同相写像に対応するための必要十分条件を上記1と類似の形で得た。これは研究目的(3)を進める上で重要な役割を果す基本的な結果である。 代表者金戸は上記1,2,3の主要部分に,分担者はそれぞれの専門を活した役割分担に基づき,主として,中川,保科,酒井,横井,宮下,増田,笠井,星野,柴田は1に,相山は2に,高橋は3に,本橋,江田,坪井,塚田は研究目的遂行の戦略にそれぞれ側面から有益な貢献をした。又,各分担者はこの研究に関連して,それぞれの専門分野における多くの研究成果(11.研究発表欄(裏面)参照)を得た。
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