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¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
著者は,ボソン フェルミオン フォック空間上にドラーム型の作用素,ディラック型作用素,ラプラシアン等を導入し,これらの作用素をもとにした無限次元解析の理論を展開してきた(1987〜).今年度の研究も主にこの分野に関わるものであり,次に述べる成果が得られた:(i)非有界な相互作用項をもつディラック作用素およびラプラシアンのあるクラスに対して,その本質的自己共役性を証明した(以前の研究では,ディラック作用素の本質的自己共役性は仮定して理論が展開されていた.相互作用項が有界な場合は,この仮定はみたされることは容易にわかる.);(ii)上述の,著者の創始になる無限次元解析の理論の総合報告を書いた(雑誌「数学」(日本数学会編集,岩波書店),46巻(1994),pp.1-10,に掲載);(iii)この無限次元解析の形式を拡大し,応用することにより,P(φ)型のスカラー量子場の理論が超対称的な場の量子論へ拡大されることを構成的に証明した.これらの研究と関連して,次の研究も遂行された:(iv)場の量子論の数学的理論における歴史と現時点における問題点を展望する総合報告を書いた(雑誌「応用数理」(日本応用数理学会編集,岩波書店),3巻(1993),pp,34-48,に掲載);(v)部分的な破れをもつCCRの表現の研究.これは,外電磁場の中にある量子系のCCRの表現の問題であるが,まだ,最終的な結果が得られていない.(vi)反可換な自己共役作用素の研究(特にクリフォード代数との関連における)とディラック作用素の非相対論的極限への応用.
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